インフレの雑学10選!100兆ドル札が約40セントになった国

最近、スーパーの値札を見て「また上がった」と感じることはありませんか。物価が全体的に上がり続け、お金の価値が下がっていく状態をインフレといいます。

歴史をさかのぼると、物価が15時間で2倍になった国や、100兆ドル札が発行された国もありました。日本でも、預金が引き出せなくなったり、トイレットペーパーが店から消えたりした時代があります。

そんなインフレにまつわる雑学を10個ご紹介します。

桁違いのハイパーインフレ

物価が急激に上がり続ける状態を、ハイパーインフレと呼びます。まずは歴史に残る3つの国の例を見てみましょう。

1. 物価が15時間で2倍の国

物価が15時間で2倍の国

第二次世界大戦後のハンガリーでは、史上最悪とされるインフレが起きました。1946年7月には、物価がおよそ15時間ごとに2倍になったと推計されています。

1日あたりに直すと、物価は約3倍に上がった計算です。発行された紙幣の最高額は1垓ペンゲーで、ゼロが20個も並ぶ桁外れの額でした。

出典:Hanke & Krus「World Hyperinflations」(Cato Institute・2012年)

2. 100兆ドル札が約40セントに

100兆ドル札が約40セントに

アフリカ南部のジンバブエは、2008年に物価が約1日で2倍になるほどのインフレに陥り、翌年初めには100兆ドル札まで登場しました。

その後、自国通貨は使われなくなり、2015年に米ドルとの交換が行われます。このときの比率で計算すると、100兆ドル札1枚は約40セントにしかなりませんでした。

※2008年発行分の紙幣は、250兆ジンバブエドルが1米ドルと交換されました。

出典:ジンバブエ準備銀行 廃貨に関する発表(2015年)

3. 紙幣が壁紙や凧になった国

紙幣が壁紙や凧になった国

第一次世界大戦後のドイツでは、1923年11月に1ドルが約4兆2000億マルクに達しました。1914年は4.2マルクだったので、約1兆倍です。

お金の価値が下がりすぎて、紙幣を壁紙やストーブの焚き付けに使ったり、子どもが札束で凧を作ったりする様子が写真に残っています。

値上がりと戦った歴史

インフレは現代だけの問題ではありません。古代ローマから昭和の日本まで、物価に振り回された出来事を古い順に紹介します。

4. 値上げに死刑を定めた皇帝

値上げに死刑を定めた皇帝

ローマ帝国では3世紀ごろから銀貨に含まれる銀が減り、物価が上がり続けていました。そこで301年、ディオクレティアヌス帝は最高価格令を出します。

食料や衣類、職人の賃金などに上限を決め、違反者には死刑を含む重い罰を科しました。しかし商人は品物を隠して闇で売るようになり、法令は失敗に終わったとされています。

5. 小判の金を減らした江戸幕府

小判の金を減らした江戸幕府

1695年、江戸幕府の荻原重秀は、小判に含まれる金を減らす元禄の改鋳を行いました。新しい元禄小判の金の割合は約57%です。

小判を増やした幕府は大きな利益を得ましたが、物価は上がりました。重秀は「貨幣は国家が造るもので、瓦礫で代えてもよい」と語ったという話もあります。

※この発言は後世の書物に記されたもので、本人の言葉かどうかは定かではありません。

6. 預金が引き出せなくなった日

預金が引き出せなくなった日

終戦後の日本は物不足とお金の増えすぎで、激しいインフレに見舞われました。そこで政府は1946年2月17日、預金を封鎖し、新しいお札への切り替えに踏み切ります。

古いお札は銀行に預けないと使えなくなりました。引き出せる額も、世帯主は月300円、家族は1人100円までに制限されました。

出典:国立公文書館「日本のあゆみ」

7. 紙が消えた1973年の騒動

紙が消えた1973年の騒動

1973年の石油危機をきっかけに、日本の物価は急上昇しました。1974年の消費者物価は前年より23.2%も上がり、「狂乱物価」と呼ばれました。

1973年11月には大阪府のスーパーにトイレットペーパーを求める人が殺到し、騒動は全国に広がります。ただ、実際には紙の生産量はほとんど減っていなかったそうです。

出典:内閣府「長期経済統計」

身近なインフレのふしぎ

最後は、ことばの由来や日々の買い物にひそむインフレの話です。

8. インフレの語源は「膨らむ」

インフレの語源は「膨らむ」

インフレは英語のインフレーションを略した言葉で、ラテン語で「吹き込む、膨らませる」を意味する語が語源です。

もともとは体の中にガスがたまって膨れることを指していました。1838年までには、アメリカで物価の上昇という意味でも使われていた記録があります。

9. 値段そのままで中身が減る

値段そのままで中身が減る

値段は変えずに、商品の量をこっそり減らすことをシュリンクフレーションといいます。「縮む」という英語とインフレを組み合わせた造語です。

有名なのがイギリスで売られていたチョコレート、トブラローネの例です。2016年に山型のチョコの間隔を広げ、170gから150gに減らして話題になりました。

10. ハンバーガーで比べる物価

ハンバーガーで比べる物価

各国の物価や通貨の価値を比べる目安に、ビッグマック指数があります。1986年にイギリスの経済誌エコノミストが考案したものです。

同じハンバーガーが国ごとにいくらで売られているかを比べる仕組みで、もともとは半ば冗談のような企画でした。今では経済の教科書で紹介されるほど知られています。

まとめ

インフレにまつわる雑学を10個ご紹介しました。

ハンガリーでは物価がおよそ15時間ごとに2倍になり、ドイツでは紙幣が壁紙や子どもの遊び道具になるほど価値を失いました。

日本でも、江戸時代の元禄の改鋳や戦後の預金封鎖、昭和の狂乱物価など、物価の上昇に振り回された出来事が何度も起きています。

身近なところでは、値段はそのままで中身が減るシュリンクフレーションも、インフレと関わりの深い現象です。買い物のときは、値段だけでなく商品の量にも目を向けてみると、新しい発見があるかもしれません。

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更新日:2026年10月4日(日) 11:34

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