税金の雑学12選!日本には1982年まで犬税があった

税金というと、所得税や消費税のように毎日の暮らしに関わる身近なものを思い浮かべる人が多いでしょう。けれども歴史をさかのぼると、ひげや窓、帽子など思いがけないものにも税がかけられてきました。

日本でもかつては飼い犬に税がかかり、1980年代初めまで残っていたのです。明治時代には、お酒にかかる税が国の税収を支えていました。

そんな税金にまつわる雑学を12個ご紹介します。研究や公的資料にもとづく項目には出典を添えています。

古代から続く税の歴史

税の仕組みは、文字の記録が始まったころから存在していました。まずは古代から近世にかけての税の歴史を見ていきます。

1. 税の記録は人類最古級

税の記録は人類最古級

メソポタミアの都市ウルクでは、紀元前3300年ごろからの粘土板が見つかっています。そこには神殿へ納める穀物や家畜、労働が原始楔形文字で記されていました。

これらは最古級の経済記録とされるものです。紀元前2600年ごろのラガシュの粘土板には、税の未納や脱税に対する罰まで書き残されています。

出典:History.com「The World’s Earliest Evidence of Taxation」

2. おしっこにも税がかかった

おしっこにも税がかかった

古代ローマのウェスパシアヌス帝は西暦70年ごろ、公衆便所で集めた尿の取引に税をかけました。尿はアンモニアを含むため、洗濯業者やなめし革業者が使っていたのです。

税をいやがる息子ティトゥスに、皇帝は税で得た金貨を嗅がせて臭うかと尋ねたといいます。これが「金は臭わない」という言葉の由来とされています。

※ネロ帝の税を復活させたものとされます。「金は臭わない」はラテン語でpecunia non olet。

※今もイタリア語で公衆便所をヴェスパジアーノ、フランス語でヴェスパジエンヌと呼びます。

出典:スエトニウス『ローマ皇帝伝』

3. ひげに税をかけた皇帝

ひげに税をかけた皇帝

ロシアのピョートル1世は1698年ごろ、西欧の視察から戻るとひげに税をかけました。西欧風の近代化を進める政策の一つだったのです。

税額は貴族や商人で年に最大100ルーブル、庶民は少額でした。納めた人には証明のメダルが渡され、ひげを生やす人はそれを持ち歩く必要がありました。

出典:Smithsonian Magazine(2017年)

世界の奇妙な税金たち

世界には、窓や帽子など意外なものにかけられた税があります。現代の税率の国際比較もあわせて紹介します。

4. 窓の数で決まった税金

窓の数で決まった税金

イギリスでは1696年、ウィリアム3世の時代に窓の数に応じて課税する窓税が導入されました。税を減らそうと、窓をレンガや板でふさぐ家が相次ぎます。

健康に悪いと訴える声もあり、窓税は1851年に廃止されました。今でもイギリスの古い建物には、ふさがれた窓の跡が残っています。

出典:英国議会ウェブサイト「Window Tax」

5. 帽子にも税がかかった時代

帽子にも税がかかった時代

イギリスでは1784〜1811年、首相ピットのもとで男性用の帽子に税がかけられました。税額は帽子の値段に応じて3ペンスから2シリングまでです。

帽子の裏地には、納税済みを示す印紙を貼る決まりがありました。この印紙を偽造すると、死刑になる可能性もあったのです。

6. 独身や子なしにかかる税

独身や子なしにかかる税

ソ連では1941〜1990年、子どものいない人に賃金の6%の税が課されていました。導入されたのは第二次世界大戦中のことです。

同じような税はほかの国にもありました。ポーランドでは1946〜1973年に独身者への税があり、ルーマニアでも1967〜1989年に未婚者などの所得税が上乗せされています。

7. 付加価値税の最高はハンガリー

付加価値税の最高はハンガリー

消費税にあたる付加価値税の標準税率は、OECD加盟国ではハンガリーの27%が最高です。フィンランドは2024年9月に25.5%へ上げ、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンは25%となっています。

OECD平均は約19%で、日本の10%はこれを下回ります。ただ、軽減税率の範囲は国ごとに違うため、税率だけでは比べにくいでしょう。

出典:OECD「Consumption Tax Trends 2024」

8. 相続税をやめた国もある

相続税をやめた国もある

2021年時点で、OECD加盟37カ国のうち相続税を課していたのは24カ国でした。カナダやオーストラリア、スウェーデンなどは相続税を廃止しています。

OECD以外では、シンガポールが2008年に廃止しました。一方、日本の最高税率55%は高い水準で、アメリカやイギリスの40%を上回ります。

※ここでの相続税には、遺産税や贈与税も含みます。

出典:OECD「Inheritance Taxation in OECD Countries」(2021年)

日本の税の意外な歴史

ここからは日本の税に目を向けます。かつて存在した税や、身近な制度の移り変わりを取り上げます。

9. 日本にもあった犬の税

日本にもあった犬の税

日本ではかつて、市町村などが飼い犬に犬税をかけていました。1955年度(昭和30年度)には、2686の団体が課税していたのです。

その後、犬税を課す自治体は減っていきます。長野県四賀村が1981年度(昭和56年度)まで課税したのを最後に、日本から姿を消しました。ドイツなど、今も犬税が残る国もあります。

※明治時代には、府県税として犬税が課された例もあります。

出典:地方税制度に関する調査研究報告書(1999年)

10. 酒税が国の稼ぎ頭だった

酒税が国の稼ぎ頭だった

1899年(明治32年)、酒税は国税収入の35.5%を占め、地租を抜いて1位になりました。その後、一時的には地租に抜かれています。

それでも1909年(明治42年)には、再び1位へ返り咲きました。1918年(大正7年)に所得税に抜かれるまで、酒税は国税収入の首位を保っていたのです。

出典:税務大学校「租税史料特別展示」

11. 約50年続いた「暫定」税率

約50年続いた「暫定」税率

ガソリン税の暫定税率は1リットルあたり25.1円で、1974年(昭和49年)に道路整備の財源として導入されました。名前は「暫定」でしたが、延長が繰り返されてきたのです。

ガソリン分の暫定税率は、2025年12月31日に廃止されました。軽油にかかる暫定税率17.1円も、2026年4月1日に廃止されています。

出典:資源エネルギー庁

12. ふるさと納税は約160倍に

ふるさと納税は約160倍に

ふるさと納税は2008年(平成20年)に創設され、初年度の受入額は約81億円、約5.4万件でした。2025年度(令和7年度)には約1兆3314億円、約5963万件に増え、金額は約160倍になっています。

自己負担が実質2000円で済むのは、控除上限額の範囲内の場合です。加えて、ワンストップ特例か確定申告の手続きも必要になります。

出典:参議院『立法と調査』(2015年)、総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果」(2026年)

まとめ

税の記録は紀元前3300年ごろのメソポタミアの粘土板にまでさかのぼり、古代ローマでは尿の取引にまで税がかけられていました。ロシアのひげ税やイギリスの窓税など、時代ごとに意外なものが課税の対象になってきたことがわかります。

日本でも、かつては市町村などが飼い犬に犬税をかけていました。長野県四賀村が1981年度(昭和56年度)まで課税したのを最後に、姿を消しています。

身近な税金にも、それぞれの時代の事情を映した長い歴史が残っています。ふるさと納税のように、この十数年で大きく広がった制度もあります。

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更新日:2026年9月19日(土) 06:32

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