動物の求愛行動が変すぎる選手権11選!プロポーズは尿シャワー

カエルが鳴いたり、鳥がさえずったりするのは、異性に自分を選んでもらうためです。こうしたふるまいは求愛行動と呼ばれ、動物の数だけさまざまな形があります。

中には、贈り物の中身をごまかしたり、相手に尿を浴びせたりと、人の目には首をかしげたくなるものも少なくありません。今回はそんな変わり種の求愛を集め選手権ふうに並べてみました。

そんな動物の求愛行動にまつわる雑学を11個ご紹介します。研究にもとづく項目には出典を添えています。

見た目と作品で勝負する

まずは、自慢の姿や手作りの舞台で相手の気を引く動物たちです。

1. クジャクの羽は決め手ではない

クジャクの羽は決め手ではない

クジャクの飾り羽は、メスへのアピールの代表例とされてきました。ところが研究チームが伊豆シャボテン公園で7年間調べると、羽の長さや目玉模様の数はメスの選び方に一貫した影響を与えていませんでした。

研究者は鳴き声など羽以外の手がかりで選んでいる可能性を挙げていますが、反論も出ていて目玉模様が多いオスがわずかに好まれるという別の研究も発表されました。

出典:東京大学の研究チーム(Animal Behaviour、2008年)

2. 青いストローで飾る舞台

青いストローで飾る舞台

アオアズマヤドリのオスは、小枝を2列の壁のように立てて「あずまや」を作ります。巣ではなく、メスを招くための舞台です。飾りによく使うのは青い物で、人里の近くでは青い洗濯ばさみやストロー、ボトルのキャップまで運び込みます。

これほど手をかけても、交尾を終えたメスは去りひとりで巣を作って子を育てます。

出典:オーストラリア博物館

3. 海底に直径2mの円を描く

海底に直径2mの円を描く

1990年代に奄美大島の海底で直径約2mの模様のついた円が見つかりました。作り主は体長10cmほどのアマミホシゾラフグのオスです。ヒレで砂を掘って7〜9日かけて仕上げ、最後に貝殻のかけらで飾ります。

メスは完成後に訪れて中央に産卵し、オスが約6日間卵を守ります。同じ巣は二度と使わず、次は別の場所に作り直すのです。

出典:川瀬裕司らの研究チーム(Scientific Reports、2013年)

4. 踊りより見た目が大事なクモ

踊りより見た目が大事なクモ

ピーコックスパイダーは体長5mmにも満たないハエトリグモの仲間で、オスはお腹の色鮮やかなヒレを扇のように広げ、脚を振り、お腹を震わせて足元に振動まで送ります。

それでも未交尾のメスを相手にした64回の試験で交尾に成功したのは16回だけで、成否を大きく左右していたのは踊りよりも見た目のほうでした。

出典:カリフォルニア大学バークレー校などの研究チーム(Proceedings of the Royal Society B、2015年)

歌と音で口説くラブコール

続いては、声や音で相手を呼ぶ動物たちです。音を出すことには、思わぬ危険や駆け引きもついて回ります。

5. 蚊の羽音はデュエット

蚊の羽音はデュエット

デング熱を運ぶネッタイシマカは羽音で相手を探します。羽ばたきの音はメスがおよそ400Hz、オスがおよそ600Hzですが、求愛のときは互いに調整し倍音がおよそ1200Hzで重なるのです。

この発見でメスの蚊は耳が聞こえないという従来の見方もくつがえりました。

※倍音は、元の音の2倍や3倍の高さで重なって響く音のことです。

出典:コーネル大学の研究チーム(Science、2009年)

6. 鳴くのをやめたコオロギ

鳴くのをやめたコオロギ

ハワイのカウアイ島にすむコオロギの一種は、オスの鳴き声を目印に寄生バエに狙われます。産みつけられた幼虫は寄生したコウロギをエサに体内で育ちます。

そのため、この島では鳴けない形の羽を持つオスが20世代もたたないうちに9割を超えました。鳴けないオスは鳴くオスのそばに集まって声に寄ってきたメスと出会います。

※学名はTeleogryllus oceanicusです。

出典:カリフォルニア大学リバーサイド校の研究チーム(Biology Letters、2006年)

7. モテる声ほど狙われる

モテる声ほど狙われる

中南米にすむトゥンガラガエルのオスは、「ウィーン」という声に「クッ」という短い音を足して鳴くのが特徴ですが、その「クッ」が入るとメスに好まれる一方で、カエルを食べるコウモリにも見つかりやすくなります。

しかも鳴くたびに鳴き袋の動きで水面に波紋が立ち、コウモリは超音波でその揺れまで感じ取ります。

出典:スミソニアン熱帯研究所などの研究チーム(Science、2014年)

8. 交尾中に天敵騒ぎをまねる

交尾中に天敵騒ぎをまねる

オーストラリアのコトドリは、チェーンソーの音までまねる物まね名人です。オスは交尾せずに去ろうとするメスの前や交尾の最中に、何種類もの小鳥が天敵に騒ぎ立てる声を1羽で再現します。

外に危険が迫っていると思わせ、メスをその場に引き止めるためではないかと考えられています。

出典:ウーロンゴン大学、コーネル大学鳥類学研究所などの研究チーム(Current Biology、2021年)

ずるくて過激なアプローチ

最後はずるさや大胆さが目立つ求愛を集めてみました。人の目には奇妙に映っても、それぞれに理由のあるふるまいです。

9. 中身が空っぽのプレゼント

中身が空っぽのプレゼント

キシダグモの仲間にはオスがエサを糸で包んでメスに贈る種がいます。メスが食べている間に交尾するためですが、野外では約3分の1のオスが食べかすの殻や植物のかけらを包んだ偽物を用意していました。

もっともメスも黙ってはおらず、偽物を受け取ったメスは交尾を早めに切り上げていました。

※学名はPisaura mirabilisで、ヨーロッパなどにすむクモです。

出典:オーフス大学などの研究チーム(Current Zoology、2014年/BMC Evolutionary Biology、2011年)

10. メスの匂いをまとうオス

メスの匂いをまとうオス

カナダの越冬地では、冬眠から覚めたレッドサイドガーターヘビが数千匹も集まります。オスがメスに群がる塊は「交尾玉」と呼ばれ、その中にはメスに似た匂いを出してオスに言い寄られるオスもいます。

このオスは群がるオスの熱で体を温められ、天敵にも襲われにくくなると報告されており、冬眠明けのオスの多くが一時的にこの状態になるとみる研究者もいます。

出典:Shineらの研究チーム(Nature、2001年)

11. プロポーズは尿のシャワー

プロポーズは尿のシャワー

アメリカヤマアラシのメスが妊娠できるのは、研究者によると年に1回8〜12時間ほどです。機会をめぐってオスどうしが争い、勝ったオスは後ろ足で立ってメスに尿を浴びせかけます。

その気がなければメスは尿を振り払って去り、受け入れるならその場を離れません。交尾のときはメスが尾を背中側へ巻いて針を覆います。

出典:アラスカ州魚類野生生物局

まとめ

クジャクの飾り羽が決め手ではなかったという研究や、踊りより見た目が効いていたピーコックスパイダーの例からは、目を引く部分と実際の決め手が一致するとは限らないことが分かります。

また、鳴き声が寄生バエやコウモリまで呼び寄せてしまうコオロギやカエルのように、目立つことには危険も伴います。一方で、中身のない贈り物や天敵騒ぎの物まねなど、相手の反応を利用する求愛もありました。

変わって見えるふるまいにも、その動物なりの事情が隠れています。

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更新日:2026年9月13日(日) 11:27

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