動物園で人気者のゴリラは、力強い体つきと迫力のある見た目から、荒々しい動物だと思われがちです。ところが実際の暮らしぶりを見てみると、葉っぱを黙々と食べ、環境が変わるとお腹を壊してしまうこともある、とても繊細な一面を持っています。胸を叩く音にこめられた意味や、毎晩作り直すという寝床、川を渡るときに見せた行動など、知るほどに印象が変わってくるはずです。そんなゴリラにまつわる雑学を14個ご紹介します。
1. 日本のゴリラは全員B型

日本の動物園で暮らすゴリラはすべてニシローランドゴリラという亜種で、これまでに調べられた個体はいずれもB型だったと報告されています。
国内でゴリラを飼育しているのは6つの園で、あわせて19頭から20頭ほどですが、そろって同じ血液型というのは珍しい話ですね。
2. 学名はゴリラが3回続く

ニシローランドゴリラの学名はGorilla gorilla gorillaで、属名と種小名と亜種名に同じ語が3回並びます。
これは基準となる基亜種に見られる形で、山地で暮らすマウンテンゴリラの学名はGorilla beringei beringeiとなり、1847年にサベージらによって記載されました。
3. ドラミングは正直な自己紹介

胸を叩くドラミングは、グーではなく手のひらをお椀の形に丸めて叩くので、乾いた音が遠くまで響きます。
2021年の研究では体が大きい個体ほど低い音が出ると分かり、ハッタリの効かない正直な信号で、相手が力の差を悟って無駄な争いを避ける効果もあるようです。
4. 実はお腹を下しやすい

飼育されているゴリラは腸炎をはじめとする消化管の病気にかかることが多く、病気や死亡の原因としても上位を占めていると報告されています。
環境の変化や強いストレスがきっかけになることもあるようで、飼育の現場では食事や暮らしぶりが細やかに整えられています。
5. 握力は推定400kg超とも

ゴリラの握力は400kgから500kgほどあるとも言われますが、実際に測った科学的なデータは残っておらず、あくまで体格などからの推定値です。
人間の成人男性の平均が45kgですから、もし本当ならおよそ10倍という計算になり、数字を見るだけでも力強さが伝わってきますね。
6. 筋肉隆々なのにほぼ草食

あれほど筋肉質な体つきですが、ゴリラが食べているのは葉や茎、果物です。
腸内の細菌が硬い繊維を発酵させて短鎖脂肪酸という物質を作り、食事から得るエネルギーの最大約57%を占めるという推定があり、筋肉のもとになるタンパク質は葉そのものから摂っています。
7. 水をほとんど飲まない暮らし

野生のゴリラが水場で水を飲む姿は、めったに見られないと言われています。
食べている植物の多くは水分が50%を超え、朝露からも水分がとれるうえ、大人のオスのシルバーバックは1日に27kgから34kgもの植物を食べるためで、まったく飲まないわけではないようです。
8. 鼻のシワで個体を見分ける

鼻の穴のまわりのシワの模様は鼻紋と呼ばれ、1頭ずつ違うため、人間の指紋にあたるものとして個体の見分けに役立ちます。
1950年代にジョージ・シャラーがこれに着目し、ダイアン・フォッシーがスケッチと写真で記録し、今も個体識別の標準的な方法になっています。
9. 寝床は毎晩つくり直す

ゴリラは日没の1時間ほど前から、木の枝や葉を折り曲げてその日の寝床を作り、同じ巣を使い回すことはほとんどありません。
糞や食べかすに集まる寄生虫や、ヒョウなどの捕食者を避けるためと言われ、マウンテンゴリラは地上に、ニシローランドゴリラは樹上にも作ります。
10. 棒で水深を測って川を渡る

2005年、コンゴ北部の湿地でリーアという名のメスが池を渡ろうとして腰まで沈み、いったん引き返して枯れ木からまっすぐな枝を取り、水深を確かめながら進みました。
これは野生のゴリラで初めて記録された道具使用で、道具を使わないとされてきた印象を変えました。
11. ココが覚えた手話は約1000語

メスのゴリラ、ココは約1000種類の手話を使い、話し言葉の英語も約2000語を理解したとされ、世界的に有名になりました。
ただしこれは主任研究者フランシーン・パターソンの報告で、本当に言語を使えていたのかどうかは、今も専門家のあいだで議論が続いています。
12. 赤ちゃんは人間の半分ほど

生まれたばかりのゴリラの赤ちゃんは1.5kgから2kgほどで、平均3kgほどの人間の赤ちゃんより小さく、抱かれている姿はとても頼りなく見えます。
それが野生のオスでは成長すると160kgから200kgほどにもなり、生まれたときと比べて100倍以上の体重になる計算です。
13. 歩くときは指の背をつく

地上を移動するとき、ゴリラは前足も使った4本足の歩き方をしますが、このとき手のひらは地面にはつけません。
指を軽く折り曲げて、第一関節と第二関節のあいだにある指の背の部分を地面につけて重い体を支えており、この歩き方はナックルウォークと呼ばれています。
14. 寿命は野生と飼育下で違う

野生のゴリラの寿命はおよそ35年から40年、動物園などの飼育下では40年から50年ほどとされ、50年を超えるのはごく一部です。
東山動植物園のオキは53歳で亡くなり国内最高齢として知られ、世界の最高齢はベルリン動物園のファトゥで、60代後半まで生きています。
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更新日:2026年8月2日(日) 10:16

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