海の上でぷかぷかと横たわる、どこか不思議でとらえどころのない姿で知られるマンボウ。
世界一重い硬骨魚のなかまでありながら、その生態には意外と知られていない一面がたくさんあります。
泳ぎが下手そうに見えて実はしっかりと泳ぎ、想像もつかないほど多くの卵を産むともいわれ、驚きのエピソードには事欠きません。
ネット上で広まった俗説に振り回されがちな魚でもあります。そんなマンボウにまつわる雑学を11個ご紹介します。
1. 世界一重い硬骨魚の正体

記録上もっとも重い硬骨魚は、2021年にアゾレス諸島沖で見つかった約2,744キログラムの個体だとされています。
ただしこれはウシマンボウという別の種で、いわゆるマンボウそのものとは異なり、ふつうの成魚はおよそ1,000キロ級におさまることが多いと言われています。
2. フグの仲間という素顔

マンボウはフグ目に含まれ、フグやハリセンボン、カワハギなどと同じ仲間にあたる、意外にも身近な魚です。
生まれたばかりの稚魚は小さなトゲに覆われた丸い体をしていて、その見た目は大きな親からは想像もできないほど、見慣れたフグにそっくりだと言われています。
3. 尾びれがない体のつくり

マンボウには本来の尾びれや尾骨がなく、背びれと尻びれがうしろでつながってできた、舵びれと呼ばれる少し変わった部分を持っています。
この舵びれは水中で泳ぐ方向を調整する舵のような役割を果たしていると考えられ、独特でユニークな体つきを生み出しています。
4. 卵の数は桁違いの多さ

あるメスの卵巣からは、なんと約3億個もの卵が数えられ、地球上で最も多産な脊椎動物のひとつとされることがあります。
ただしこれは1921年の古い研究で一個体からざっと推定された数であり、実際に3億匹がそのまま元気に産まれ、そのすべてが育つわけではないようです。
5. 誕生から桁外れの成長

マンボウは一生のあいだに、生まれたときの約6,000万倍もの大きさにまで成長すると言われ、その驚くべき伸び幅は数ある生き物のなかでも大きく群を抜いています。
主な餌はふわふわと漂うクラゲですが、小魚やイカなども幅広く口にする雑食に近い一面を持っています。
6. 泳ぎ下手は大きな誤解

マンボウは泳ぎが下手で怠け者だと思われがちですが、これは実際には大きな誤解だとされています。
じつのところ背びれと尻びれを鳥の翼のように左右へ力強く羽ばたかせ、自分の意思でしっかりと前へ進んでいく、見た目によらずなかなかの実力を持った泳ぎ手なのです。
7. 深海までもぐる縦の旅

マンボウは水深1,000メートルを超える深海までもぐり、浮いては沈むという上下の移動を毎日のように何度も繰り返していることが分かっています。
ただし泳ぐ速さそのものはとても危なげなくゆるやかで、いちばん速いときでも時速約3キロほどにとどまると言われています。
8. 大きくても狙われる存在

大きな体を持つマンボウにも天敵はいて、シャチやアシカ、そして大型のサメなどに襲われてしまうことがあるようです。
天敵のなかでもとくにアシカは、マンボウの大きなヒレを豪快に引きちぎるようにして、容赦なくむさぼり食べてしまうことがあると言われています。
9. 海面に横たわる理由とは

マンボウの体の表面には、実におびただしい数の小さな寄生虫がついてしまうことが知られています。
海面で横向きになってのんびりと浮かぶのは、体の掃除をしてくれる小さな魚や海鳥たちに、その寄生虫をていねいに取り除いてもらうためだと考えられているそうです。
10. 漢字と英名に潜む由来

マンボウを漢字で書いた翻車魚の翻車とは、中国語で田畑をうるおす回転式の水車を意味する言葉に由来すると言われています。
いっぽう英語で太陽の魚を表すサンフィッシュは、海面で日光浴でもするかのようにゆったりと横たわるその姿から名づけられたとされています。
11. すぐ死ぬ説は本当なのか

弱くてすぐ死ぬ、ジャンプして着水した衝撃で死んでしまうといった数々の話は、主にインターネット上で広まった根拠のない俗説だとされています。
これらはあくまで面白半分に語られた大喜利のようなもので、実際には研究者によってはっきりと否定されているようです。
更新日:2026年7月20日(月) 09:46

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