サプリメントの雑学12選!健康被害で最も多いのは肝障害

毎日飲んでいる人も、気が向いたときだけ手に取る人もいるサプリメント。手軽に栄養を補える身近な存在ですが、その中身や仕組みまで知る機会は意外と少ないものです。

水に溶けるビタミンなのに体へ何年分も貯まるものがあったり、天然由来なのに国が販売を禁じた成分があったり。世界で最初にビタミンを見つけたのは日本人でした。

そんなサプリメントにまつわる雑学を12個ご紹介します。研究にもとづく項目には出典を添えています。

体の中で起きていること

飲み込んだサプリメントは、そのあと体の中でどう扱われているのでしょうか。吸収や貯蔵の仕組みを知ると、飲み方の見え方が少し変わります。

1. サプリメントは薬ではない

サプリメントは薬ではない

サプリメントは栄養を補う食品で、病気の治療や予防をうたうことは認められていません。日本でも食品表示法などで、医薬品のような効能の表示は禁じられています。

錠剤やカプセルは成分が濃縮されていて、食事のような満腹の歯止めが効きません。知らないうちに摂りすぎることもあるのです。

2. 助け合う栄養と邪魔する栄養

助け合う栄養と邪魔する栄養

ビタミンCが鉄の吸収を助けるのは、野菜や豆に多い非ヘム鉄のほう。肉や魚のヘム鉄にはほとんど効きません。

カルシウムは両方の鉄の吸収を下げるため、鉄のサプリとは時間をずらすよう勧められます。ビタミンDが不足するとカルシウムの吸収は10〜15%ほど、足りていれば30〜40%まで上がります。

※「非ヘム鉄」は野菜や豆、穀類に含まれるタイプの鉄です

出典:米国国立衛生研究所などの公的機関(ファクトシート・2024年)

3. 水溶性でも体に貯まる

水溶性でも体に貯まる

水溶性のビタミンは尿で出るから毎日こまめに、とは限りません。ビタミンB12は水溶性でも肝臓に1〜5mg貯えられ、1日の摂取量の1,000〜2,000倍にあたります。不足の症状が出るまで数年かかるほど。

ビタミンB6には上限量があり、成人でおよそ40〜60mg。摂りすぎで手足のしびれが報告されています。

出典:国立健康・栄養研究所(「健康食品」の安全性・有効性情報・2025年)

4. 飲むタイミングの落とし穴

飲むタイミングの落とし穴

サプリは食後がよい、という説に公的な裏付けはありません。50歳以上の50人の比較では、脂質を含む朝食とビタミンD3を摂った群のほうが、12時間後の血中濃度が32%高い結果に。

同じ研究者らの別の試験では、吸収が高かったのは低脂肪食の群。25(OH)D濃度に3群の差はなく、吸収量と濃度は別のようです。

※「25(OH)D」は血液中のビタミンDの量をあらわす指標です

出典:タフツ大学などの研究チーム(Journal of Bone and Mineral Research・2013年)

安全をめぐる思い込み

安全そうに見えて、実はそうとも限らないのがサプリメントです。思い込みが被害につながった例を見ていきましょう。

5. 天然由来でも安全とは限らない

天然由来でも安全とは限らない

天然の植物でも、濃縮されれば強い作用が出ます。アマメシバという野菜は健康食品として広まったあと重い呼吸器の病気の報告が相次ぎ、2003年に販売が禁止されました。

コンフリーも肝障害のおそれから2004年に販売禁止に。薬の効き目を弱めるセントジョーンズワートのような例も知られています。

※「アマメシバ」は東南アジア原産の野菜で、日本では沖縄などで栽培されていました

出典:厚生労働省(食品衛生法に基づく販売禁止措置・2003年)

6. 海外製は成分量の桁が違う

海外製は成分量の桁が違う

国民生活センターが2024年に注意を呼びかけました。海外事業者の鉄サプリを1日54〜108mg、約3年飲み続けた10代女性が鉄過剰症と診断された例があります。

日本の推奨量は月経のある成人女性で10.5mg前後、上限は40mg程度。108mgは推奨量の約10倍。原因は体格差ではなく、国ごとの規制の違いです。

出典:国民生活センター(公表資料・2024年)

7. 健康被害で最も多いのは肝障害

健康被害で最も多いのは肝障害

健康食品による被害88例を約15年分のデータから調べたところ、最も多いのは肝障害で31%。電解質異常18%、急性腎不全17%と続き、11%が集中治療を要し、劇症肝炎で亡くなった例も2例ありました。

購入者2,002人の調査では、18.5%が推奨量を超えて飲み、うち62%は何かの栄養素で上限量を超えています。

出典:東邦大学などの研究チーム(Interactive Journal of Medical Research・2026年)

8. 妊婦が避けるものと摂るもの

妊婦が避けるものと摂るもの

妊娠中や妊娠の可能性がある人は、ビタミンAのサプリを1日3,000μgRAEを超えないよう勧告されています。目や心臓の形成異常が起こりうるためです。

ただし緑黄色野菜のβ-カロテンは別で、体は必要な分だけビタミンAに変えます。一方で葉酸は1日400μgが勧められ、神経管閉鎖障害のリスクを下げます。

※「μgRAE」はビタミンAの量をあらわす単位です

出典:米国国立衛生研究所・厚生労働省(ファクトシート・通知)

知られざるサプリの裏側

最後は、表示や歴史、そして心の動きにまつわる話です。サプリメントとの付き合い方を考えるヒントにもなります。

9. 消費期限ではなく賞味期限

消費期限ではなく賞味期限

サプリに書かれているのは消費期限ではなく賞味期限です。国のガイドラインは、製造日を含めておおむね5日前後以内しか品質が保たれない食品だけに消費期限を付けます。

消費期限は安全に食べられる期限、賞味期限はおいしく食べられる期限。乾いた錠剤やカプセルは長期保存が前提なので後者です。

出典:消費者庁(食品期限表示の設定のためのガイドライン)

10. 長く飲めば安全とは限らない

長く飲めば安全とは限らない

健康食品による被害の3分の2は、飲み始めて3か月以内に起きています。一方で10年以上続けたあとに発症した例もあり、長いから大丈夫とは言えません。

購入者調査では、6か月以上の継続使用が推奨量の超過と関連していました。効かないから増やす、という行動が過剰摂取を招きやすいのでしょう。

出典:国立健康・栄養研究所(「健康食品」の安全性・有効性情報)

11. 世界初のビタミンは日本発

世界初のビタミンは日本発

1910年(明治43年)12月13日、鈴木梅太郎が米ぬかから脚気に効く成分を取り出し、オリザニンと名付けます。世界初のビタミン発見でした。

ところが農学者だった鈴木の報告は国内で重んじられず、翌年に同じ成分へ達したポーランドのフンクの命名が世界へ定着。この日が今もビタミンの日です。

※「脚気(かっけ)」はビタミンB1の不足で手足のしびれやむくみが出る病気です

12. 飲んだ気になると生活が乱れる

飲んだ気になると生活が乱れる

台湾の研究チームは、参加者全員に同じ偽薬を配り、片方の群にだけマルチビタミンだと伝えました。飲んだと思い込んだ群は、オーガニックより食べ放題を選び、歩く距離も短くなったのです。

喫煙者の実験では、吸う本数を抑える力まで弱まりました。研究者はこれを無敵になったような錯覚と呼びます。

出典:国立中山大学などの研究チーム(Psychological Science・2011年)

まとめ

サプリメントは薬ではなく、栄養を補うための食品です。だからこそ、濃縮された成分をどう扱うかは飲む側に委ねられています。

水溶性でも体に貯まるビタミンがあり、天然由来でも販売が禁じられた成分があり、健康被害で最も多いのは肝障害でした。長く飲んでいるから安全、という考え方も当てはまりません。

そして飲んだという安心感そのものが、食事や運動をおろそかにさせることもあります。気になる成分があるときは、まず毎日の食事を見直すところから始めてみてはいかがでしょうか。

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更新日:2026年9月19日(土) 10:58

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