夏になると毎年のように話題になる熱中症ですが、その仕組みや対策には意外と知られていない事実がたくさんあります。
炎天下だけでなく室内や夜間、駐車中の車の中でも起こり、梅雨明け直後のように体が暑さにまだ慣れていない時期はとくに注意が必要です。
水分のとり方や体を冷やす場所、シャーベット状の飲み物を使う方法など、知っておくだけで自分や家族の体調を守りやすくなります。
そんな熱中症にまつわる雑学を12個ご紹介します。
1. 熱中症の4割は室内で発生

消防庁の統計では、熱中症で搬送された人のおよそ4割は住居で起きていて、この住居には庭や駐車場などの敷地内も含まれています。
東京都23区の調査でも熱中症で亡くなった人の約95%が屋内で、電気代や冷えを気にしてエアコンを控える高齢者もいるとされています。
2. 夜間や就寝中にも起こる

夜も高温多湿だと汗が蒸発せず放熱がうまく働かず、眠るために必要な深部体温の低下が妨げられるとされています。
快適に眠れる室温の上限は28℃が目安で、寝具の調節だけでは追いつかないため、エアコンをタイマーで切らずにつけたまま眠るのがすすめられています。
3. 湿度が危険度を左右する

湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体にたまった熱をうまく逃がせないので体温を下げられません。
環境省は、暑さの危険度を示す暑さ指数(WBGT)に影響が大きい要素として湿度、日射などの熱環境、気温の3つを挙げ、なかでも湿度を第1位に位置づけて説明しています。
4. 車内は短時間で高温になる

JAFが2012年に外気温35℃のもとで行った実験では、対策をしない黒い車の車内は最高57℃、ダッシュボードは79℃まで上がりました。
窓を3cm開けても車内は45℃、ダッシュボードは75℃までしか下がらず、短い時間でも子どもやペットを車に残さないようにしましょう。
5. 梅雨明け直後は搬送が急増

体が暑さに慣れる暑熱順化には数日から2週間ほどかかるとされ、涼しい梅雨の間は暑さへの備えがまだできていません。
消防庁の週別データでは、2025年は梅雨明け前の週の熱中症搬送者が4,772人、明けた後の週は10,187人で約2.1倍に増え、前年の2024年も1.5倍でした。
6. 筋肉量で脱水しやすさが変わる

筋肉は体の水分をたくわえるタンクで、体重に占める水分量は成人男性で60%、成人女性で55%、高齢者では50〜55%とされています。
高齢者は水分が少ないため同じだけ汗をかくと脱水に陥りやすく、子どもは体温調節の仕組みが十分に発達しておらず注意が必要です。
7. 喉の渇きは体からの警告

日本スポーツ協会は、体重の2%を超える脱水が起きると運動能力や競技成績が著しく損なわれるとしていて、集中力が下がるという研究もあります。
渇きに応じて自由に水分をとれば脱水量は2%以内に収まるとされるので、渇く前からこまめに少しずつ足しておくと安心です。
8. 水だけの補給は落とし穴

大量に汗をかいたときに水やお茶だけを飲むと、血液中のナトリウム濃度が下がる低ナトリウム血症、いわゆる水中毒を招くことがあります。
汗では塩分も失われるので、塩分を含むスポーツドリンクや、水1Lに塩1〜2gを溶かした0.1〜0.2%の食塩水がすすめられています。
関連記事: 水分補給の雑学10選
9. お酒は水分補給にならない

アルコールには尿を増やす働きがあり、抗利尿ホルモンの働きを抑えるためだとされています。
度数の高いお酒ほど利尿作用は強く、ビール程度なら影響は小さいという研究もありますが、判断力や体温調節にも関わるため、暑い時期にはお酒とは別に水分をとりましょう。
10. 飲む氷で内側から冷やす

アイススラリーというシャーベット状の飲み物は、飲むことで体の内側から深部体温を下げる方法とされています。
国立スポーツ科学センターの研究では体重1kgあたり約7.5gをこまめにとると体温の低下が認められ、一度に大量に飲むと下痢や頭痛を起こすことがあります。
11. 冷やすなら太い血管の近く

環境省は手足や首、脇の下、脚の付け根を冷やす場所に挙げ、皮膚の近くを太い血管が通るため効率がよいとされています。
日本スポーツ協会は氷水に浸すのが最も効果的で、水をかけたり濡れタオルを当てて強くあおぐのをすすめ、保冷剤は追加的に使うとしています。
12. 手のひら冷却で暑さが和らぐ

手のひらや足の裏には動脈と静脈が直接つながるAVAという血管があり、体温が上がると開いて多くの血液が流れます。
氷のように冷たすぎると血管が縮んで逆効果とされ、冷えたペットボトルくらいの15℃前後が向いていて、暑さのつらさが和らぐと紹介されています。
関連記事: 夏の雑学8選
更新日:2026年8月1日(土) 11:52

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