うだるような暑さ、耳をふさぎたくなるセミの声、キンと冷えたかき氷。夏は五感すべてに焼きつく季節ですが、当たり前だと思っていた光景の裏には、意外な理由が隠れています。
扇風機は本当に空気を冷やしているのか、プールのあの匀いはどこから来るのか、海から上がった肌はなぜベタつくのか、江戸っ子はスイカに何をかけていたのか。
知ってしまうと今年の夏の見え方が少し変わる、そんな夏にまつわる雑学を10個ご紹介します。
1. 命を削って鳴くセミのオス

セミのオスがあの大音量で鳴くのはメスを呼ぶためですが、実はかなりの重労働で、鳴いている間のエネルギー消費は安静時から大きく跳ね上がることが実験でわかっています。
しかも音に変わるのはその1パーセント未満で、残りはすべて熱として捨てられているそうです。
2. 江戸のスイカは砂糖をかけた

スイカに塩をかけると甘く感じるのは、少量の塩味が甘味を引き立てる対比効果と呼ばれる現象です。
ところが江戸時代のスイカは今ほど甘くなく、当時は砂糖をかけて食べていたという記録が残っており、塩で足りるようになったのは明治以降の品種改良のおかげです。
3. 頭キーンは脳の取り違え

冷たいものが上あごを急に冷やすと、そこを通る三叉神経という顔の神経が刺激され、脳が上あごの冷たさをこめかみの痛みだと取り違えます。
これは関連痛と呼ばれる現象で、痛む直前に脳の血管が広がることも観測されており、両方が関わっていると考えられています。
4. 扇風機は空気を冷やさない

扇風機の風が涼しく感じるのは、汗の蒸発を促して体から熱を奪っているからで、部屋の空気の温度そのものは下がっていません。
だから湿度が高い日は涼しさが半減しますし、気温が35度を超えると熱風を体に当てているだけになって危険だと、WHOも注意を促しています。
5. 蚊取り線香を渦にした妻

世界初の蚊取り線香は棒状で、燃え尽きるまで40分ほどしかもたず、寝ている間の蚊には歯が立ちませんでした。
これを渦巻き型にすれば長持ちすると思いついたのが創業者の妻ゆきで、1902年に発売された渦巻き型は6時間以上燃え続け、ひと晩を守れるようになりました。
6. 浴衣は湯上がり着だった

浴衣のルーツは平安時代の入浴着である湯帷子で、江戸時代に木綿が広まると湯上がり着から夏の外出着へ出世し、花火見物にも着られるようになりました。
ただし花火大会に浴衣というイメージは新しく、昭和30年代の会場では浴衣姿はほとんど見られなかったといいます。
7. プールの目の赤みは汗と尿

プールで目が充血するのは塩素そのものではなく、汗や尿の成分と塩素が反応してできるクロラミンという物質が原因だと、アメリカの疾病対策センターが指摘しています。
あのツンとした匀いの正体も同じで、匂いが強いプールほど汚れているという気まずい話なのです。
8. 海のベタベタはにがり

海から上がったあと肌がベタつくのは、塩が乾いて残っているからではありません。
犯人は海水の塩類の1割ほどを占める塩化マグネシウム、つまり豆腐を固めるにがりの主成分で、空気中の水分を吸って自ら溶ける潮解という性質があるため、乾かずにベタベタが続くのです。
9. 怪談は江戸の暑さ対策

日本の夏に怪談やホラーが集まるのは、江戸時代の歌舞伎が夏に怪談ものを上演する涼み芝居を恒例にしていたからで、背筋を凍らせて暑さを忘れてもらおうという営業戦略でした。
東海道四谷怪談の初演も1825年の7月で、今のホラー特集はその夏興行の名残というわけです。
10. 暑い日ほど熱い飲み物

インドや中東で暑い日に熱いお茶を飲む習慣は、理にかなっているという実験結果があります。
50度前後の飲み物をとると発汗量が増え、汗が蒸発するときに奪う熱が飲み物で得た熱を上回るためですが、汗が乾く環境が前提なので、湿度の高い日本の夏では効果が薄れます。
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更新日:2026年8月14日(金) 03:02

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