西遊記の雑学12選!三蔵法師が妊娠する回がある

「西遊記」といえば、三蔵法師と孫悟空たちが天竺を目指す旅の物語として、ドラマやアニメを通じて多くの人に親しまれています。

もともとは明の時代に成立した中国の長編小説で、玄奘三蔵の旅を土台に、さまざまな伝説や語りが長い年月をかけて積み重なってできたものです。

ただ、原作をひもとくと、私たちがなんとなく抱いているイメージとはかなり違う場面がいくつも出てきます。

そんな西遊記にまつわる雑学を12個ご紹介します。

1. 作者が誰かは実は不明

作者が誰かは実は不明

現存する最古の刊本である1592年の世徳堂本には作者名がなく、「華陽洞天主人校」と記されているだけです。

呉承恩が書いたものだという説は清代の考証学者が挙げたもので、魯迅や胡適が採用したことで広まりましたが、現在も学術的には作者不詳が前提とされています。

2. 沙悟浄は河童ではない

沙悟浄は河童ではない

原作の沙悟浄は流沙河にすむ水の妖怪で、青藍色の肌に赤い髪という姿で描かれている存在です。

もとは玉帝の御前で簾を巻く役目の武官「捲簾大将」でしたが、蟠桃会で玻璃の盃を割った罰で下界に落とされ、河童のイメージは明治以降の日本の翻案から生まれたものです。

※捲簾大将は「けんれんたいしょう」と読みます。

3. 白馬の正体は竜だった

白馬の正体は竜だった

三蔵が乗る白馬の正体は、西海竜王・敖閏の三男である玉龍です。

殿上の明珠を焼いた罪で死罪となるところを観音の取りなしで助けられ、鷹愁澗で一行を待つうちに空腹から三蔵の馬を食い殺してしまい、その後観音の法術で白馬に変えられて三蔵を乗せることになりました。

4. 八戒の前身は水軍の将

八戒の前身は水軍の将

原文には「天河八万の水軍を掌る大天蓬元帥」とあり、天界でも指折りの高官だったと書かれています。

蟠桃会で酔って仙女の嫦娥に言い寄り、糾弾されて下界へと落とされたうえ、転生の際に道を間違えて雌豚の胎内に入ってしまい、あの豚の顔になったと語られています。

※嫦娥(じょうが)は月の宮にすむ仙女です。

5. 生死簿から猿の名を消す

生死簿から猿の名を消す

第3回では、寿命が尽きて冥界へ連れていかれた悟空が、生死簿に「孫悟空、天産石猴、寿342歳、善終」と書かれているのを見て激怒します。

役人から筆を奪い取って生死簿にある猿類の名を一切合切消し去ってしまい、これによって冥界の管轄から外れることになりました。

6. 如意棒の重さは約8トン

如意棒の重さは約8トン

棒には「如意金箍棒 一万三千五百斤」と刻まれており、明代の1斤は約600gなので、単純に計算すると約8トンになります。

この一万三千五百という数字は、医書『難経』の「人は一日一夜に一万三千五百息する」に由来するという説もありますが、原文に根拠はありません。

7. 最初の官職は馬小屋番

最初の官職は馬小屋番

天界で悟空が最初に与えられた「弼馬温」は品階に入らない最下級の職で、仕事は馬小屋の世話でした。

語源は猿を厩に置くと馬の疫病を防ぐという民間信仰にちなむ「避馬瘟」の語呂合わせとする説が有力で、『斉民要術』や『本草綱目』にも猿を馬房で飼う記述があります。

※弼馬温は「ひつばおん」と読みます。

8. 三蔵法師が身ごもる話

三蔵法師が身ごもる話

第53回では、三蔵と猪八戒が子母河の水を飲んで身ごもってしまいます。

腹痛にうめく2人を救うため、悟空が解陽山の落泉「落胎泉」へ水を取りに行きますが、泉を守る如意真仙が紅孩児の一件を恨んで拒んだため戦いになり、最後は沙悟浄が泉の水を汲んで解決に至ります。

9. ワイロを求める使者たち

ワイロを求める使者たち

第98回で経典を渡す阿難と迦葉は、「東の国から来た聖僧よ、我々への手土産は何かないのか」と付け届けを求めます。

三蔵が渡す物を持っていなかったため白紙の「無字の経」を渡されてしまい、唐王から賜った紫金の鉢を差し出して、ようやく本物の経典を手にします。

10. 難が1つ足りず落とされる

難が1つ足りず落とされる

第99回で観音がこれまでの難の記録を確かめてみると80しかなく、「九九帰真」に1つ足りないことに気づきます。

そこで金剛に命じて一行を雲の上から突き落とさせ、通天河の西岸に墜落したうえ、約束を忘れられた老黿に水中へ沈められて、経典が濡れてしまいました。

11. 経典は欠けたまま完結

g経典は欠けたまま完結

水に濡れてしまった経典を岩の上に広げて天日干ししたところ、『仏本行経』の巻末が岩に貼りついて破れてしまいます。

原文には「今に至るまで仏本行経は完全ではない」と書かれており、完璧とはいえない経典を唐に持ち帰ったまま、長い物語は静かに幕を閉じるのです。

12. 女性の三蔵法師は日本発

女性の三蔵法師は日本発

1978年に放送された日本テレビ版の『西遊記』では女優の夏目雅子が三蔵を演じ、以後の日本のリメイクで女優が三蔵を演じる型を定着させました。

この日テレ版は英語に吹き替えられたうえでイギリスのBBCで『Monkey』として放送され、カルト的な人気を集めています。

更新日:2026年8月3日(月) 12:01

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