ヘビの雑学13選!自分の尾を飲み込んでしまうことも

ヘビが自分の尾を飲み込んでしまうことがある、と聞いたら驚くでしょうか。実は飼育下でも野生でも、まれにそんな記録が残っています。

耳の穴がないのに音に反応したり、顔の穴で獲物の体温を感じ取ったりと、ヘビの体には人とはまるで違うしくみが詰まっています。アゴを外さずに大きな獲物を丸呑みできるのも、そのひとつ。カエルの毒を借りるヘビや、空を滑るヘビまでいるほどです。

そんなヘビにまつわる雑学を13個ご紹介します。

意外と知らない体のつくり

まずは、大きな獲物を丸呑みする体のつくりから。アゴや尻尾、水の飲み方にも独特のしくみがあります。

1. アゴは外れず左右に開く

アゴは外れず左右に開くのイラスト

ヘビは自分の頭より大きな獲物を丸呑みしますが、アゴの関節を外しているわけではありません。下アゴの骨は左右に分かれていて、先端はよく伸びる靱帯でつながっています。

さらに上下のアゴの間には方形骨という骨があり、これが蝶つがいのように動くことで、口を縦にも大きく開けられるのです。

※方形骨は「ほうけいこつ」、靱帯は「じんたい」と読みます

2. 尻尾の始まりは体の穴

尻尾の始まりは体の穴のイラスト

細長いヘビの体にも、胴体と尻尾の境目はちゃんとあります。目印はお腹側にある総排泄孔という穴で、ここより後ろが尻尾です。

総排泄孔はフンや尿を体の外へ出す出口で、メスは卵もここから産みます。種類によっては体の大部分が胴体で、尻尾はほんの少ししかないものもいます。

※総排泄孔は「そうはいせつこう」と読みます

3. 水はアゴのひだで吸い込む

水はアゴのひだで吸い込むのイラスト

ヘビの舌は匂いを集める専用の器官で、犬や猫のように水をなめ取ることはできません。以前は、口をストローのように使って水を吸い上げるという説が有力でした。

2012年の研究では、多くのヘビが下アゴの柔らかいひだをスポンジのように使って水を含み、アゴを動かして喉へ送っていることがわかりました。

出典:リーハイ大学(2012年)

獲物を探る感覚のひみつ

目や耳の働きが人とは大きく違うヘビは、ほかの感覚を組み合わせて周りの様子をつかんでいます。

4. 二股の舌で匂いをかぐ

二股の舌で匂いをかぐのイラスト

ヘビが舌をしきりに出し入れするのは、空気中の匂いの粒を集めるためです。集めた粒は口の天井にある鋤鼻器という器官へ運ばれ、獲物や天敵の気配を読み取ります。

舌の先が二股なのにも意味があり、左右で拾った匂いの濃さの差から、相手がどちらにいるかを判断できると考えられています。

※鋤鼻器は「じょびき」と読み、ヤコブソン器官とも呼ばれます

5. 顔の穴で体温を感じ取る

顔の穴で体温を感じ取るのイラスト

マムシやハブ、ニシキヘビやボアなどの顔には、ピット器官と呼ばれる小さなくぼみがあります。ここで獲物の体から出る熱、つまり赤外線を感じ取れるのです。

そのため真っ暗な夜でも、ネズミなど体温のある動物の位置をとらえて狩りができます。日本の身近なマムシも、目と鼻の間にこの穴を持っています。

※赤外線は、温かいものから出ている目に見えない光のことです

6. 耳の穴がなくても音は届く

耳の穴がなくても音は届くのイラスト

ヘビには外から見える耳の穴も鼓膜もありませんが、頭の奥には内耳が備わっています。地面を伝わる振動を下アゴの骨で受け取り、内耳で感じ取るしくみです。

そのため音は聞こえないと長く言われてきましたが、2023年の研究では空気中を伝わる低い音にも反応して動きを変えることが示されました。

※内耳は、音や体のかたむきを感じ取る耳のいちばん奥の部分です

出典:クイーンズランド大学(2023年)

7. まぶたの代わりに透明な鱗

まぶたの代わりに透明な鱗のイラスト

ヘビの目にはまぶたがなく、表面は透明な1枚の鱗で覆われています。目を閉じることも瞬きもできないので、眠っている間も目は開いたままです。

この鱗がゴーグルのように目を守り、乾燥やけがを防いでいます。トカゲの多くには動くまぶたがあるため、ヘビと見分ける手がかりのひとつになります。

※この透明な鱗は、アイキャップやスペクタクル、ブリルとも呼ばれます

8. 脱皮の前は目が白く濁る

脱皮の前は目が白く濁るのイラスト

ヘビは成長に合わせて古い皮を脱ぎますが、このとき目を覆う透明な鱗も一緒にはがれます。抜け殻をよく見ると、目の部分まで形が残っているほどです。

脱皮が近づくと、古い皮と新しい皮の間に液がたまり、目が青白く濁って見えます。この時期は周りが見えにくくなるため、じっと隠れて過ごすヘビも少なくありません。

毒の話と驚きのふるまい

最後は毒の話と、ヘビが見せる珍しい行動です。なかには、研究者にも理由がはっきりしない現象があります。

9. 毒を持つのは6分の1ほど

毒を持つのは6分の1ほどのイラスト

ヘビと聞くと毒を思い浮かべがちですが、世界に約4000種いるヘビのうち、毒ヘビは600〜700種ほど。全体の5〜6分の1にすぎません。

残りの多くは獲物に巻きついて締めつけたり、そのまま丸呑みにしたりして捕らえます。アオダイショウやシマヘビのように、日本で身近なヘビにも毒のない種類が多くいます。

※種の数は新種の発見などで毎年変わるため、おおよその目安です

出典:The Reptile Database(2026年)

10. ヤマカガシの2つの毒

ヤマカガシの2つの毒のイラスト

日本にすむヤマカガシは、2種類の毒を使い分けます。ひとつは奥歯から出す毒で、もうひとつは首の皮膚の下にある頸腺にためた毒です。

頸腺の毒は、エサのヒキガエルが持つ毒を取り込んでためたもので、敵から身を守るのに使います。ヒキガエルのいない地域にすむ仲間は、ホタルから毒を取り込んでいました。

※頸腺は「けいせん」と読みます

※ヤマカガシにかまれたときは、すぐに医療機関を受診してください

出典:京都大学(2020年)

11. 木から木へ滑空するヘビ

木から木へ滑空するヘビのイラスト

東南アジアの森にすむトビヘビの仲間は、木の枝から飛び出すと肋骨を広げて体を平たくし、空気を受け止めます。空中では体をS字にくねらせながら、数十メートル先まで滑るように移動します。

このくねりが空中で体が回転するのを防いでいることが、2020年の研究で確かめられました。

※滑空は、羽ばたかずに空気を受けて滑るように飛ぶことです

出典:バージニア工科大学(2020年)

12. 自分の尾を飲み込む謎

自分の尾を飲み込む謎のイラスト

ヘビが自分の尾をくわえて飲み込んでいく現象は、飼育下でも野生でもまれに記録されています。原因ははっきりせず、尾を獲物やほかのヘビと取り違えるという説が有力です。

スミソニアン国立自然史博物館の研究者は、病気や弱った個体に多く、狭いケージで体を伸ばせないことも一因と説明しています。

※体についたエサの匂いや温度の変化がきっかけになる、という説もあります

出典:PetMD(2016年)

13. 頭が2つのヘビも生まれる

頭が2つのヘビも生まれるのイラスト

まれに、頭を2つ持つヘビが生まれます。一卵性の双子になるはずの受精卵が、途中で分かれきれなかったのが原因とみられています。

2つの頭にはそれぞれ脳があり、1匹のエサを取り合う様子も報告されています。長く生きにくいとされますが、飼育下で長く生きた例もあります。

出典:ナショナル ジオグラフィック(2002年)

まとめ

ヘビのアゴは外れているのではなく、左右に分かれた骨と方形骨の働きで大きく開きます。耳の穴がなくても振動や低い音を感じ取り、舌やピット器官で匂いや熱をとらえるなど、感覚の使い方も人とはまるで違います。

毒ヘビは全体の5〜6分の1ほどで、ヤマカガシのようにエサの毒を借りて身を守る種類もいます。空を滑るトビヘビや、自分の尾を飲み込んでしまう例まで、まだ解明の途中にある話も少なくありません。

身近な場所でヘビを見かけたら、離れたところから舌の動きや目の様子に注目してみてください。

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更新日:2026年9月30日(水) 04:11

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