パンダの雑学12選!省エネぶりはナマケモノ並み

白と黒のふわふわした姿で、動物園の人気者として知られるパンダ。ころんと座って竹をのんびり食べる様子は、つい時間を忘れて眺めてしまうほどです。

ところが、その体や暮らしには意外なひみつがたくさんあります。竹をつかむための特別な骨、黒く描かれがちな尻尾の本当の色、1日40〜50回にもなるトイレ、ナマケモノに近いほどの省エネ生活など、知ると見方が変わる話ばかり。

そんなパンダにまつわる雑学を12個ご紹介します。

パンダの体に隠れたひみつ

まずは名前の由来と、パンダの体にまつわる雑学から見ていきましょう。白黒の模様や尻尾にも、それぞれに理由や特徴があります。

1. 元祖パンダはレッサーパンダ

元祖パンダはレッサーパンダ

「パンダ」の名は、レッサーパンダのほうが先。1825年にフランスの博物学者キュヴィエが記載しています。

ジャイアントパンダが西洋に知られたのは1869年にフランス人宣教師アルマン・ダヴィドの報告がきっかけで、のちに「大きいほうのパンダ」と呼ばれるようになりました。語源はネパール語由来の説が複数あり定まっていません。

2. 竹をつかむ「第七の指」

竹をつかむ「第七の指」

パンダの前足には「偽の親指」があります。これは本物の指ではなく、手首の骨の一つである橈側種子骨が長く伸びたものです。

手首の反対側にある副手根骨の出っ張りも対になって働き、こちらは「第七の指」とも呼ばれます。この2つの骨の出っ張りで竹をペンチのように挟み、器用につかめるのです。

※橈側種子骨(とうそくしゅしこつ)、副手根骨(ふくしゅこんこつ)は手首にある骨の名前

出典:国立科学博物館・東京大学などの研究チーム(Nature・1999年)

3. 白黒模様は雪と森の保護色

白黒模様は雪と森の保護色

白い部分は雪景色に、黒い手足は森の陰に溶け込む保護色と考えられています。竹だけでは脂肪を蓄えられず、雪の季節も暗い森の季節も一年中動くため、両方に合う模様という説です。

目の周りの黒をサングラスとみる説は根拠が弱く、個体の見分けや威嚇のサインという見方が有力で黒い耳は強さを示すサインともいわれます。

出典:カリフォルニア大学デービス校などの研究チーム(Behavioral Ecology・2017年)

4. 尻尾は黒ではなく白い

尻尾は黒ではなく白い

イラストでは黒く描かれがちなパンダの尻尾ですが、実際は白い色をしています。長さは10〜20cmほどで、お尻の周りも白いため、あまり目立ちません。

尾の裏側付近には臭腺があり、そこから出る分泌物をマーキングに使います。ただし、泥で汚れて黒っぽく見えることもあります。

竹にささえられた毎日

パンダの食事のほとんどは竹です。ここでは、竹中心の食生活がパンダの体や暮らしにどう関わっているのかを紹介します。

5. 肉食向きの体で竹を食べる

肉食向きの体で竹を食べる

パンダの消化器は、肉食動物に近いつくりをしています。腸内細菌も今なお肉食動物型で、植物の繊維を分解する菌はほとんどいません。

そんな体で、1日に約12〜38kgもの竹を10〜16時間かけて食べ続けるのです。タケノコの時期には、食べる量がさらに増えます。

出典:成都パンダ繁育研究基地・上海交通大学などの研究チーム(mBio・2015年)

6. 竹だけでなく肉も食べる

竹だけでなく肉も食べる

パンダは分類上クマ科に属し、食肉目の仲間です。野生での食事の98〜99%は竹ですが、ネズミなどの小動物や動物の死骸の肉をたまに食べることがあります。果実や草、根などもごく少量口にするようです。

飼育下では、竹のほかにリンゴやニンジン、専用の団子やビスケットなどが与えられます。

7. トイレは1日40〜50回

トイレは1日40〜50回

竹は消化しにくいため、パンダは食べては出すを繰り返します。1日のフンの回数は40〜50回ほどにもなるそうです。

量は1日15〜35kgにのぼるという飼育員の話もあります。フンの中身は、消化されずに残った竹のかけらが多くを占めています。

8. 省エネぶりはナマケモノ級

省エネぶりはナマケモノ級

パンダの1日のエネルギー消費量は、同じ体重の哺乳類の平均の約38%しかありません。これはコアラよりも低く、ナマケモノに近い水準です。

さらに甲状腺ホルモンの量は、冬眠中のクマ並みに低いことがわかりました。あまり動かずにエネルギーを節約する暮らしで、竹だけの食事を成り立たせているのです。

出典:中国科学院などの研究チーム(Science・2015年)

9. クマの仲間でも冬眠しない

クマの仲間でも冬眠しない

パンダは、多くのクマと違って冬眠をしません。竹は低カロリーなので、冬眠に必要な脂肪を体に蓄えられないのです。

一方で、竹は一年を通して手に入ります。そのためパンダは冬のあいだも竹を食べ続け、寒い季節も活動しています。

赤ちゃん誕生から長寿まで

最後は、パンダの繁殖と一生にまつわる雑学です。妊娠のチャンスの少なさから長寿の記録までを取り上げます。

10. 妊娠できるのは年に数日だけ

妊娠できるのは年に数日だけ

パンダの繁殖期は春で、おもに3〜5月です。排卵は年に1回だけで、メスが妊娠できるのは年に1〜3日ほどしかありません。

この短いタイミングを逃すと、次のチャンスは翌年まで待つことになります。飼育下での繁殖が難しい理由の一つです。

11. 赤ちゃんは母親の900分の1

赤ちゃんは母親の900分の1

生まれたばかりのパンダの赤ちゃんは、体重が約100〜150g。母親の体重の約900分の1しかありません。

ピンク色の肌に、白い産毛がうっすら生えた姿で生まれてきます。有袋類を除く哺乳類のなかでは、母親に比べて最も小さく生まれる部類なのです。

12. 最長寿記録は38歳のメス

最長寿記録は38歳のメス

パンダの寿命は、野生では15〜20年ほど。飼育下では30年前後生きることもあります。

最長寿の記録を持つのは、香港の海洋公園で暮らしていたメスの佳佳です。2016年に38歳で亡くなり、ギネス記録に認定されました。園は、人間なら114歳ほどにあたると説明しています。

※佳佳(ジャジャ)。海洋公園は「オーシャンパーク」とも呼ばれる

まとめ

パンダの前足には竹をつかむための骨の出っ張りがあり、白黒の模様にも雪や森に溶け込むためという説があります。竹ばかりの食事を支えていたのは、エネルギー消費を抑えた省エネの暮らしでした。

また「パンダ」の名はレッサーパンダのほうが先で、赤ちゃんは母親の約900分の1という小ささで生まれてきます。見た目のかわいらしさの裏に、竹とともに生きるための体のしくみがつまっているのです。

パンダの写真や映像を見るときは、前足の使い方や白い尻尾にもぜひ注目してみてください。

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更新日:2026年9月27日(日) 11:27

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