片思いの雑学10選!恋する脳はコカインと同じ回路

好きな人を思うと胸が苦しくなる。あの独特な感覚は、いったい何なのでしょうか。

近年の脳科学や心理学の研究では、恋する脳がドーパミンの報酬系を強く働かせていることや、失恋の痛みが身体の痛みと同じ場所で処理されていることが少しずつ見えてきました。

片思いは特別な出来事ではなく、多くの人が何度も通ってきた、ありふれた道でもあります。

ここでは実際の研究をもとに、そんな片思いにまつわる雑学を10個ご紹介します。

1. 恋する脳は渇望に近い

恋する脳は渇望に近い

恋に落ちて間もなつ17人の脳をfMRIで調べると、右の腹側被蓋野と右の尾状核という、ドーパミンが関わる報酬系が活発に働きました。

ここはコカインへの渇望を扱う研究でも活性化する部位で、ヘレン・フィッシャーさんは恋を感情というより渇望に近いと表現しています。

※fMRIは、脳の血流の変化から働いている場所を調べる装置です。

※腹側被蓋野と尾状核は、快感ややる気に関わる脳の奥の部分です。

2. 恋の始まりは強迫症に似る

恋の始まりは強迫症に似る

恋に落ちて6か月以内の20人を調べると、血小板にあるセロトニンの運び屋の密度が、対照群より約40パーセント低くなっていました。

この値は重い強迫性障害の人と差がなく、脳内を直接測ったわけではありませんが、恋の始まりが特有の状態であることをうかがわせます。

※強迫性障害は、同じ考えや行動が頭から離れなくなる状態のことです。

3. 失恋は身体の痛みと重なる

失恋は身体の痛みと重なる

失恋して半年以内の40人に元恋人の写真で拒絶を思い出すと、二次体性感覚野と背側後部島皮質という、熱いカップを持ったときの痛みを扱う場所が反応しました。

その反応は、500件超の研究データに照らすと、身体の痛みの指標として最大88パーセントの的中率でした。

※二次体性感覚野と背側後部島皮質は、体で感じた痛みの強さや不快さを処理する場所です。

4. 市販の鎘痛剤と心の痛み

市販の鎘痛剤と心の痛み

鎘痛剤アセトアミノフェンを1日1000ミリグラム、3週間飲んで62人は、偽薬の群より傷ついた気持ちの申告が減り、社会的に拒絶された場面での脳の反応も鈍りました。

ただし2021年の追試では脳や心拍の反応に差が出ておらず、失恋に薬が効くとみるのはまだ早そうです。

※偽薬は、有効成分の入っていない薬で、比較のために使われます。

5. 振られても続く脳の反応

振られても続く脳の反応

恋人に振られた直後でまだ相手を愛したままの15人に元恋人の写真を見せたところ、報酬や渇望に関わる脳の部位が反応し続けていました。

フィッシャーさんはこの状態を欲求不満性の魅力と呼び、手に入らないからこそ惹かれ、諾めきれないのではないかと説明しています。

※欲求不満性の魅力は、手に入らない相手ほど強く惹かれてしまう状態を指す言葉です。

6. 恋の高まりを示す物質

恋の高まりを示す物質

恋に落ちたばかりの58人の血液を調べたところ、神経成長因子NGFの量が、独身の人の約1.5倍、長く交際している人の約1.8倍にのぼりました。

そのうち39人を12か月から24か月後にもう一度測り直すと、対照群と見分けがつかない水準にまで下がっていたと報告されています。

※NGFは神経成長因子の略で、神経の成長や働きを助けるたんぱく質です。

7. 片思いのほうが多数派

片思いのほうが多数派

高校生と大学生318人に過去2年間をふり返ってもらった調査では、片思いは両想いの恋愛のおよそ4倍の頻度で起きており、例外ではなく標準といえます。

情熱や犠牲、依存、献身のスコアはいずれも両想いより低かったのに、苦悩のスコアだけは高いという点も目を引きます。

8. ほとんどの人が経験する

ほとんどの人が経験する

アメリカの大学生を対象にした調査では、98パーセントもの人が片思いを経験したことがあると答えており、経験のない人のほうが少数派でした。

同じ研究では5年間に強烈な片思いが平均1.07回、中くらいのものが1.86回、軽いものが3.66回という数字も報告されています。

9. じらす作戦は5回空振り

じらす作戦は5回空振り

押せば落ちるという言葉の元ネタとされる1973年の研究では、じらす作戦が有効だと示す実験に5回も続けて失敗しています。

6回目でようやく支持されたのは、他の男性には冷たいのに自分にだけは応じてくれる女性という、かなり限られた条件だけで、被験者は71人でした。

10. 恋は文化を超えて存在する

恋は文化を超えて存在する

独立した166文化の民族誌を調べると、147文化、88.5パーセントで恋愛感情の証拠が見つかりました。

基準は恋の苦しみの語り、駆け落ち、恋の歌、当事者の証言、民族誌家の確認の5つで、残る19文化も恋愛がなかったというより記録がないだけの可能性が高そうです。

※民族誌は、その土地の暮らしや文化を研究者が詳しく記録したものです。

更新日:2026年8月14日(金) 02:19

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