恋愛の話題として語られることの多い浮気ですが、その中身をたどってみると、法律の言葉づかいから鳥の生態まで、思いがけない世界が広がっています。
日本の法律に浮気という言葉はなく、江戸時代には示談の相場が決まっていました。
一途に見える鳥がじつはそうでもなかったり、そもそも浮気という考え方が育たなかった社会があったりと、時代や生き物によって受け止め方はさまざまです。
そんな浮気にまつわる雑学を12個ご紹介します。
1. 法律に浮気も不倫もない

日本の法律に浮気や不倫という語はなく、問題になるのは民法上の不貞行為、つまり配偶者以外との自由な意思による性的関係です。
回数は問われず一度でも成立し、デートや好意だけでは原則あたらないとされ、慰謝料は離婚しない場合で50万円から100万円ほどが目安です。
※不貞行為(ふていこうい)は法律上の言い方です。
2. 寝取られ夫はカッコウが語源

英語で寝取られ夫を指すcuckoldは、カッコウを意味する古いフランス語のcucuaultが語源とされ、1250年ごろの『梟とナイチンゲール』に登場します。
由来はメスが次々と相手を変えるからとも、他の鳥の巣に卵を預ける托卵の習性からともいわれ、2つの説があります。
※托卵(たくらん)は、他の鳥に自分の卵をあずけて育てさせる習性です。
3. 不倫の意味が変わった1983年

不倫は明治からある言葉で、もとは人の道に外れるという広い意味で使われていました。
1983年に放送されたTBSのドラマ『金曜日の妻たちへ』が話題を呼び、今のような男女関係を指す使い方が広まったとされ、それ以前は姦通や浮気という言葉が使われていたそうです。
※金妻の愛称で親しまれ、金妻シンドロームという言葉も生まれました。
4. 間男七両二分という示談相場

江戸時代の密通は建前では死罪でしたが、実際は金銭で示談にするのが通例で、相場は間男七両二分と呼ばれました。
太田南畝も随筆『金曽木』に江戸では七両二分、大坂では5両と書き留めており、半端な額は大判1枚が小判約7両2分にあたるためという説があります。
※間男七両二分(まおとこしちりょうにぶ)と読みます。
5. 妻だけが罰せられた姦通罪

日本にも1947年まで姦通罪があり、罰せられるのは夫のある妻と相手の男性だけで、夫が独身女性と関係を持っても罪に問われませんでした。
男女平等の理念に合わないとして1947年10月の刑法改正で削除され、同じ法律をなくす動きは韓国や台湾などにも広がりました。
※姦通(かんつう)は配偶者以外の人と性的な関係を持つことです。
6. 3800年前の罰は水責め

紀元前18世紀ごろに作られたハンムラビ法典129条には、姦通の現場を押さえられた妻と相手の男性を縛って水に投げ込むという刑が定められていました。
ただし夫が妻を助けたいと望めば妻は許され、その場合は王も相手の男性を助けてよいという但し書きが添えられています。
7. 未婚のほうが高い浮気率

相模ゴム工業が2025年12月に1万4312名を対象に行った調査によると、浮気の経験率は未婚男性が38.8%、既婚男性が21.0%、未婚女性が24.1%でした。
既婚者より未婚者のほうが高いという結果で、この数字は調査の方法や質問の作り方によって変わる点にも注意が必要です。
8. 子供53人という歴代最多

江戸幕府11代将軍の徳川家斉は側室が20人以上、名の残らない相手を含めれば40人以上ともいわれ、確認できる子供は男子26人と女子27人の計53人で歴代の将軍では最も多い数です。
数え方で55人とする説もあり、在位も1787年から1837年の50年と歴代で最も長いものでした。
※徳川家斉(とくがわいえなり)と読みます。
9. 10人に1人という俗説

10人に1人は実の父親が違うという話がありますが、これは根拠のはっきりしない俗説とされています。
信頼できる遺伝学の研究では取り違えの割合はおおむね1%から3%ほどで、親子鑑定を求めた人だけの調査では17%から33%と高く出ますが、一般の人々の数字ではありません。
10. 鳥の一途さは見かけだけ

鳥類の約90%は社会的一夫一妻とされますが、DNAの解析により、調べられた種の9割ほどで番い以外の相手との子が見つかりました。
社会的一夫一妻の種でも平均13%が番い外の子で、見た目の関係と遺伝的なつながりは別物とわかり、哺乳類でこの形の種は3%から5%ほどです。
※社会的一夫一妻は、一組の雌雄が協力して子育てをする関係のことです。
※番い(つがい)はオスとメスの一組を指します。
11. 遺伝子で変わった一途さ

一夫一妻的に暮らすプレーリーハタネズミと、多くの相手と交わるアメリカハタネズミの違いは、脳内のバソプレシン受容体の分布にあるとされています。
2004年の研究では、乱婚的な種の脳にこの遺伝子を導入したところ、交尾のあとも最初のメスのそばにとどまりました。
※バソプレシンは、社会的なきずなに関わるとされる脳内の物質です。
12. 浮気の概念がない社会

中国の雲南省と四川省の境にある瀘沽湖で暮らすモソ人の社会には、結婚や夫婦にあたる制度がなく、男性が夜に女性のもとを訪ね朝に母系の家族へ帰る走婚が受け継がれてきました。
相手を自分の意思で選び変えられるため、浮気という考え方が成り立ちにくいとされます。
※瀘沽湖(ろここ)はモソ人が暮らす湖です。走婚(そうこん)は通い婚の一種です。
更新日:2026年8月7日(金) 12:46

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