ヴェルサイユ宮殿の雑学10選!噴水はパリより水を使う

きらびやかな装飾と広大な庭園で知られるヴェルサイユ宮殿は、フランス絶対王政の栄華を今に伝える建物です。

しかし、その豪華な暮らしの裏には、深刻な水不足や衛生の悩み、思わぬ由来を持つ言葉など、意外な話がたくさん隠されています。

華やかさとちぐはぐな現実が同居していたところも、この宮殿の面白いところです。

そんなヴェルサイユ宮殿にまつわる雑学を10個ご紹介します。

1. 鏡の間を飾る357枚の鏡

鏡の間を飾る357枚の鏡

「鏡の間」に並ぶ鏡は357枚もあり、当時の鏡はヴェネツィアが製法を独占する非常に高価な品でした。

フランスは職人を引き抜いて国産化に成功し、1678年から1684年にかけて造られた全長73mの空間にこれだけの鏡を並べることで、その技術力を誇示したといわれています。

2. トイレ不足という深刻な問題

トイレ不足という深刻な問題

「トイレがなかった」という話は誇張で、実際には持ち運びできる便器「ブルダルー」などが広く使われていました。

ルイ16世の時代には王族専用の水洗トイレが9基ありましたが、数千人が暮らす宮殿にはとても足りず、宮殿の衛生をめぐる問題は深刻だったようです。

3. パリを超える水の消費量

パリを超える水の消費量

ヴェルサイユは慢性的な水不足に悩まされ、庭園の噴水は水圧を半分に抑えても1日に12,800m³もの水を使いました。

これは当時のパリ市全体が使う量を上回るほどで、巨大な揚水装置「マルリーの機械」を使っても必要量の4分の1ほどしか賄えなかったといわれています。

4. エチケットは庭の立て札から

エチケットは庭の立て札から

「エチケット」という言葉は、庭を踏み荒らす貴族に向けて庭師が立てた立て札に由来するという説があります。

フランス語で札を意味する「etiquet」がもとになったとされ、やがて行儀作法そのものを指す言葉へと変わったと語られますが、由来には諸説あります。

5. 動物園と温室のはじまり

動物園と温室のはじまり

動物を種類ごとに分けて見せた動物園「メナジュリー」は、そうした形の展示を行った史上初の施設とされ、近代的な動物園の原型になったといわれます。

温室「オランジュリー」には今も約1,000鉢もの植物が並び、なかには樹齢200年を超えるほど古い木もあるそうです。

6. ワインが凍った大寒波

ワインが凍った大寒波

1709年にヨーロッパ全体を襲った記録的な大寒波は、豪華なヴェルサイユ宮殿の暮らしさえも容赦なく凍えさせました。

廷臣サン=シモンの記録によれば、暖炉のすぐそばに置いておいたワインまで凍ってしまい、瓶が割れてしまうほどの厳しい寒さだったと伝えられています。

7. 大運河で行われた模擬海戦

大運河で行われた模擬海戦

宮殿の庭園にまっすぐ延びる大運河は全長1,670mもあり、水辺で楽しむさまざまな遊びの舞台になりました。

水の都ヴェネツィアからはゴンドラが贈られ(2隻とも4隻ともいわれます)、広々とした運河では船を使った本格的な模擬海戦まで行われたと記録に残っています。

8. 銀無垢の家具が消えた日

銀無垢の家具が消えた日

ルイ14世は銀無垢の家具を約200点、重さにすると合わせて約20トンも所有していました。

しかし1689年、戦争の費用を集めるためにそのすべてを溶かしてしまい、制作費1,000万リーヴルが貨幣にすると200万リーヴル分にしかならず、大きな損をしたと伝えられています。

9. 香水に包まれた宮廷文化

香水に包まれた宮廷文化

ヴェルサイユは「香りの宮廷」とも呼ばれ、入浴を避けて香水で体のにおいを消そうとする文化が広く根づいていました。

香水は体だけでなく、家具やかつら、扇、さらには飼っているペットにまで振りかけられ、宮廷全体がさまざまな香りに包まれていたといわれています。

10. 狩猟小屋から世界遺産へ

狩猟小屋から世界遺産へ

もとはルイ13世が1623年に建てた質素な狩猟小屋で、同じ時代の証言では「貧しい貴族の見栄すら満たせない」とまで酷評されたほどでした。

これをルイ14世が年月をかけて壮大な宮殿へと造り替え、1979年にはその価値が認められ世界遺産に登録されるまでになりました。

更新日:2026年7月13日(月) 03:23

コメントを入力

TOP