ビールの雑学12選!ギネスブックはパブの販促品だった

仕事終わりの一杯や、乾杯の合図としておなじみのビール。

冷えたグラスに注いだときの泡の白さと弾ける香りは、それだけで気分をやわらかく切り替えてくれます。

実はこの身近な飲み物には、紀元前の法典に罰の条文が書かれていたり、街を丸ごと飲み込む洪水を起こしたり、世界一有名な記録集を生み出したりと、思わず誰かに話したくなる物語がたくさん隠れています。

そんなビールにまつわる雑学を12個ご紹介します。

1. 法典に刻まれたビールの罰

法典に刻まれたビールの罰

紀元前1700年代のハンムラビ法典の第108条には、ビール代の勘定をごまかした酒場の女主人は水に投げ込まれる、と定められています。

穀物ではなく銀で代金を受け取り、量を少なく計った場合が対象とされ、当時からビールが暮らしに根づいていたことがうかがえます。

2. 純粋令に酵母がない謎

純粋令に酵母がない謎

1516年にバイエルンで定められたビール純粋令は、原料を大麦とホップと水に限ったもので、現在も使われる食品の法律としては世界最古とも言われます。

ところが当時は酵母という微生物の存在自体が知られておらず、発酵に欠かせない酵母は後年の改訂で加えられました。

3. 最古のレシピは女神の歌

最古のレシピは女神の歌

シュメールの女神ニンカシを讃える讃歌の中には、大麦のパンを砕いて水に浸すといった仕込みの工程など、ビールの作り方が細かく織り込まれています。

紀元前1800年ごろの粘土板に書き留められた古い記録で、現存するなかで最古のビールのレシピとも言われています。

※「讃歌(さんか)」は神をたたえるためにささげられた歌のことです。

4. ロンドンを襲ったビール洪水

ロンドンを襲ったビール洪水

1814年10月、ロンドンの醸造所で巨大な発酵槽が突然破裂し、貯めてあった大量のビールが濁流となって周囲の住宅街へ一気に流れ込みました。

流出量は資料により約58万リットルから147万リットルまで幅がありますが、この事故で8人が亡くなったと伝えられています。

5. ギネス記録は販促の品

ギネス記録は販促の品

ギネス世界記録は、1951年にギネス社のトップだったヒュー・ビーヴァーが狩りの最中、ヨーロッパで一番速い狩猟鳥はムナグロかという議論に決着をつけられなかったことから生まれました。

1955年の初版はパブで無料配布される販促品で、酒場の言い争いを収める本でした。

※「ムナグロ」はチドリの仲間で、長い距離を移動する渡り鳥です。

6. 下へ流れるギネスの泡

下へ流れるギネスの泡

黒ビールのギネスをグラスに注ぐと、泡が下向きに流れ落ちていくように見えますが、これは見間違いや目の錯覚ではなく、実際に起きている現象です。

2021年には大阪大学とキリンの共同研究チームが、その泡が作り出す縞模様の生まれる仕組みを数式を使って説明しました。

7. ホップは大麻と同じ仲間

ホップは大麻と同じ仲間

ビールに苦みと爽やかな香りを与えるホップは、見た目は緑色のつる植物ですが、植物の分類では大麻と同じアサ科に属しています。

ビール造りに使うのは受粉していない雌株の毬花だけなので、ホップ畑では雄株が見つかり次第すぐに抜き取られてしまうのが一般的です。

※「毬花(きゅうか)」は松かさに似た形をしたホップの花の部分です。

8. ビール瓶が茶色い理由

ビール瓶が茶色い理由

ビールが日光に長く当たると、ホップ由来の苦み成分が変化して、日光臭と呼ばれる焦げたような独特の嫌なにおいが生まれてしまうことがあります。

そのため多くのメーカーは、あえて光を通しにくい茶色の瓶を採用し、中身の香りや味わいを守っていると説明しています。

※「日光臭(にっこうしゅう)」は、光が当たることで生じる特有のにおいのことです。

9. ビールを巡るストライキ

ビールを巡るストライキ

2010年、デンマークの大手ビール会社カールスバーグで、工場で働く従業員ら数百人が抗議のストライキに踏み切るという出来事がありました。

それまで勤務中ならいつでも自由に飲めた工場のビールが、昼休みの時間だけに制限されたことへの反発が理由だったそうです。

10. 消費量世界一はチェコ

消費量世界一はチェコ

1人あたりのビール消費量が世界一の国は、ビールの本場という印象が強いドイツではなく、東欧のチェコです。

しかも30年以上にわたって首位を守り続けており、量は調査によって幅がありますが、年間およそ130から160リットルとされ、日本の水準を大きく上回っています。

11. 恵比寿の名はビールから

恵比寿の名はビールから

東京の恵比寿という地名は、1890年に発売されたヱビスビールを工場から運び出すために、1901年に開業した貨物駅の名前が広まったものです。

その後1928年には正式な地名としても採用され、商品名から駅名、そして地名へと順番に広がっていった珍しい例になっています。

12. 缶に入っていても生ビール

缶に入っていても生ビール

生ビールと聞くと樽やジョッキを思い浮かべますが、日本の公正競争規約では、熱処理をしていないビールのことを生ビールと呼ぶと決められています。

そのため注ぎ方や容器の違いは関係がなく、大手の主力銘柄の多くは缶や瓶に入っていても生ビールにあたります。

※「公正競争規約」は、業界が自主的に定めている表示のルールです。

更新日:2026年8月17日(月) 11:35

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