ハシビロコウに関する豆知識

動物園でじっと動かずに佇む姿が、まるでおきもののように見えるハシビロコウは、今や老若男女を問わず絶大な人気を誇っています。鋭い眼光と巨大なクチバシを持つその風貌は、どこか恐竜を彷彿とさせ、一度見たら忘れられない強烈なインパクトを放っています。

しかし、彼らがなぜこれほどまでに動かないのか、その独特なビジュアルにはどのような秘密が隠されているのかを知る人は意外と少ないかもしれません。

今回は、知れば知るほどその魅力に引き込まれてしまう、ハシビロコウにまつわる驚きの雑学を厳選してご紹介します。

1. 「コウノトリ」ではなく「ペリカン」に近い

かつては姿が似ているコウノトリの仲間だと信じられてきましたが、最新のDNA解析によりペリカンに近いことが判明しました。

学術的な分類が覆った事実は非常に有名で、鳥類の進化の不思議や系統の複雑さを現代に伝える代表的なエピソードです。

2. 挨拶は「お辞儀」と「クラッタリング」

相手に対して親愛の情を示すときは、頭を深く下げて人間がお辞儀をするような独特の仕草を見せます。

同時にクチバシを激しく叩き合わせてカタカタと音を出すクラッタリングを行い、飼育員さんや信頼する仲間に向けて熱烈なコミュニケーションを図ります。

3. 瞬膜という「第3のまぶた」がある

眼球を保護するために、通常のまぶたとは別に横方向に閉じる透明な瞬膜という特殊な組織を持っています。

瞬きをする瞬間に目が白く濁ったように見えるのはこの膜の影響で、鋭い眼光をより一層ミステリアスで恐ろしい、神秘的な印象に際立たせます。

4. 意外と「飛ぶ」ことができる

一日の大半を動かずに過ごすため飛べないと思われがちですが、実は大きな翼を広げて空を舞う姿は圧巻です。

体重が重いため頻繁には飛びませんが、生息地での移動や外敵から逃れる際には、ゆっくりと力強い羽ばたきで大空をダイナミックに飛行します。

5. 獲物は「肺魚」がメイン

アフリカの湿地に生息するハシビロコウは、主にプロトプテルスという名前の肺魚を好んで捕食します。

数時間に一度だけ息継ぎのために水面に浮上してくる肺魚の隙を突くため、何時間も泥の中で微動だにせず集中力を極限まで研ぎ澄ませてじっと待ちます。

6. 「動かない」のは狩りのための高度な戦略

置物のように静止するのは決して怠けているわけではなく、獲物に自分の存在を気づかせないための狩猟戦術です。

視界に入った魚が油断して射程圏内に近づくまで徹底的に気配を消し、チャンスが来た瞬間に猛烈なスピードと正確さで一気に襲いかかります。

7. 獲物を仕留めた後は「丸呑み」

大きなクチバシで獲物を捕らえた後は、鋭い先端のフックを利用して逃げられないようにしっかりと固定します。

そのまま一気に喉の奥へと流し込んで丸呑みにしますが、巨大な魚を必死に飲み込もうと奮闘する様子は野生の凄みを感じさせ、非常に迫力があります。

8. 雛の「生存競争」が過酷

一度に複数の卵を産みますが、先に生まれた大きな雛が後から生まれた小さな兄弟を攻撃して排除することがあります。

親鳥もあえて強い方の雛にだけ優先して餌を与えるという生存戦略を取るため、自然界の厳しさと種を残すための執念を物語る光景となります。

9. 寿命は30年以上

野生下での正確な寿命は不明な点も多いですが、飼育環境下では30年以上生きる個体が決して珍しくありません。

かつて日本の動物園には推定50年以上も生きた個体が在籍しており、鳥類の中でも驚くほど長生きをして人間と共に歴史を刻む部類に入ります。

10. 日本は世界有数の「ハシビロコウ大国」

日本国内の多くの動物園で飼育されており、海外の研究者からも驚かれるほど多くの個体を間近で観察できます。

その独特な風貌と動かないキャラクターが日本人の好みに合致したため、写真集やグッズが次々と発売されるなど今も空前の人気を博しています。

更新日:2026年1月28日(水) 08:32

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