毎日の食卓に当たり前のように並んでいる卵。
目玉焼きにゆで卵、卵かけご飯にお菓子の材料まで、これほど幅広く使われている食べ物はなかなかありません。
ところがあの小さな殻の中には、賞味期限の本当の意味や、黄身の色が決まる仕組みなど、知らないままだったことが意外なほどたくさん詰まっています。
買い物や料理のちょっとした場面で、思わず誰かに話したくなる話ばかりです。
そんな卵にまつわる雑学を12個ご紹介します。
1. 賞味期限は生食の期限

卵の賞味期限は腐る時期ではなく、生のままで食べられる目安として決められています。
サルモネラ菌が増える速さから計算すると、生食できる日数は夏で16日ほど、冬なら50日以上になりますが、実際の店頭表示は年間を通して産卵日から21日以内が上限と定められています。
※期限を過ぎても、中心部が75℃で1分以上になるよう加熱すれば食べられるとされています。
2. 黄身の色を決めるもの

黄身の色の濃さは栄養の濃さを表すものではなく、餌に含まれている色素の量によって決まります。
餌にマリーゴールドやパプリカを混ぜると濃いオレンジ色になり、米を中心にした餌では白っぽい色の黄身になりますが、色の濃さと栄養価には特に関係がないとされています。
※色のもとになるのはカロテノイドと呼ばれる天然の色素です。
3. 白玉と赤玉の値段の差

白い卵と赤い卵の色の違いは鶏の品種によるもので、同じ餌で育てば中身の栄養にほとんど差はないと言われています。
赤玉のほうが値段が高めなのは、赤玉を産む鶏は体が大きく餌をたくさん食べて手間がかかることに加え、高級品として売られてきた経緯もあるようです。
4. 温泉卵は固まり方が逆

温泉卵と半熟卵では、黄身と白身の固まる順番が逆になっているのをご存じですか。
黄身は65℃前後から固まり始めるのに対し、白身が完全に固まるのは80℃近くになってからで、この温度差をうまく利用すると白身がとろりとしたまま黄身だけが固まった温泉卵ができます。
5. 新鮮な卵はむきにくい

ゆで卵の殻がぼろぼろとうまくむけないときは、卵が新しすぎることが理由かもしれません。
生みたての卵の白身には炭酸ガスがたくさん溶けていて、これが薄皮と白身をくっつける原因と考えられており、買ってから数日置いてガスが抜けると殻がむきやすくなるそうです。
6. 殻にあいた無数の小さな穴

卵の殻は表面がつるりとして見えますが、実際には目に見えないほど小さな穴が7000〜17000個ほどあいていると言われています。
卵はこの穴から酸素を取り込み、いらなくなった炭酸ガスを外へ出しており、殻の厚さは0.26〜0.38mmほどしかないというから驚かされます。
※この小さな穴は気孔(きこう)と呼ばれます。
7. パックの向きは装置任せ

スーパーのパックで卵が全部同じ向きに並んでいるのは、人の手ではなく卵が転がる性質をうまく利用した装置で向きをそろえているからです。
ちなみに鶏の体内でも85〜90%は尖ったほうが出口を向いているとされ、卵は生まれる前から向きがほぼ決まっているようです。
8. EUでは卵を洗わない

EUでは売り物の卵を洗うことが規則で禁止されていて、5℃未満に冷やして店頭に並べることも原則として認められていません。
洗うと殻の表面をおおう保護膜が傷んでしまうという考え方によるもので、洗って冷蔵するのが当たり前の日本の売り場とはまるで正反対の発想です。
※日本の卵は出荷前の施設で洗浄と殺菌が行われています。EUでも輸送や短時間の陳列は例外とされています。
9. 黄身が2つある二黄卵

黄身が2つ入った卵は二黄卵と呼ばれ、産み始めたばかりの若い鶏が産むことが多いとされています。
排卵のリズムがまだ十分に安定していないために起こる現象で、若い群れにしては大きすぎる卵として自動の選別機ではじかれるため、市販のパックにはめったに混ざりません。
※二黄卵は「におうらん」と読みます。
10. 卵は1日1個までの根拠

卵は1日1個までとよく言われますが、いまの公的な基準にそうした決まりはありません。
日本人の食事摂取基準では2015年版でコレステロールの目標量の算定が見送られ、その後も上限は設けられていませんが、脂質異常症のある人は1日200mg未満が望ましいとされています。
※脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪の値が基準から外れた状態のことです。
11. 国産率97%の裏にある事情

鶏卵の国産率は97%前後と高く、卵は昔から物価の優等生や国産の優等生とも呼ばれてきました。
ところが海外から輸入している飼料の分を差し引いて計算すると、令和6年度の自給率は12%ほどにとどまり、実は輸入に頼る構造の上に成り立っていることが分かります。
12. 卵かけご飯を広めた人

卵かけご飯を広めた人物としてよく名前が挙がるのが、明治時代のジャーナリスト岸田吟香です。
旅先で生卵をご飯にかけ、焼き塩とトウガラシで食べていたと後年の雑誌に記されていますが、江戸時代の料理書にも卵をかけた飯の記録があり、彼が最初とは言い切れません。
※岸田吟香は「きしだぎんこう」と読みます。
更新日:2026年8月20日(木) 08:07

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