毎日のように回している洗濯機ですが、その中身について考える機会はあまりないかもしれません。
世界で最初の洗濯機は木でできていて、日本で初めて国産機が売り出されたころは、教員の給料の何か月分にもあたる高級品でした。
今では当たり前の存在ですが、洗濯槽の中の様子や脱水にかかる力、うっかりやってしまいがちな使い方など、知ってみると驚くような話がいくつもあります。
そんな洗濯機にまつわる雑学を12個ご紹介します。
1. 木製だった世界初の洗濯機

世界で最初の洗濯機は、1767年にドイツのレーゲンスブルクでヤコブ・クリスチャン・シェッファーが考案した木製の手動式でした。
木の桶の中に羽根や棒を入れ、外側のハンドルを回して底の衣類と水をかき混ぜる撹拌式で、ふたが水の飛び散りを防ぐ形だったそうです。
※「撹拌(かくはん)式」は、かき混ぜて洗う方式のことです。
2. 国産第1号は370円の高級品

電気洗濯機の国産第1号は1930年、芝浦製作所が売り出した撹拌式の「Solar」で、洗濯できる量は約2.7kg、価格は370円もしました。
当時の小学校教員の初任給が約50円ほどでしたから7か月分以上にあたる高級品で、一般家庭に広く普及したのは戦後になってからでした。
※芝浦製作所は、現在の東芝の前身にあたる会社です。
3. 洗濯槽にひそむ泥水なみのカビ

エステーと衛生微生物研究センターが2012年に発表した共同研究では、家庭で使用中の洗濯機25台から空運転後の水を採取して調べました。
最も多かった1台では水1mL中に1000個から1万個のカビが見つかり、これは泥水に含まれるカビの数と同じくらいの水準でした。
4. 毎日使う人ほどカビは少ない

同じ調査では使用年数とカビの多さに関係は見られず、10年以上使っている洗濯機でも5年以内のものと同じ程度でした。
むしろ週2〜3回だけ使う場合のほうがカビは出やすい傾向で、使う間隔が空いてしまうと槽の中に湿気がこもる時間が長くなるためと考えられます。
5. ドラム式は縦型の約半分の水

パナソニックの公表値では、同じ12kgでもドラム式の標準使用水量が約83Lなのに対し、縦型は約150Lで1.8倍ほどの差です。
1回あたり約20円、毎日使えば年間7000円以上の違いになりますが、これは水道代に限った話で、ドラム式は本体価格が高めのモデルも多めです。
※ドラム式は衣類を持ち上げて落とすたたき洗い、縦型は底の羽根が起こす水流で衣類同士をこすり合わせる方式です。
6. 毛布をそのまま洗うと倒れる

NITEに寄せられた事故例では、大きな毛布を洗濯ネットに入れずに洗ったところ、脱水中に片寄って洗濯機が倒れ、壁に穴があきました。
説明書に大物は専用ネットに入れるよう書かれており、ネットは衣類の型崩れ防止だけでなく機械そのものを守る装備でもあります。
※NITEは、製品事故の原因を調べている製品評価技術基盤機構のことです。
7. 脱水にかかる力は重力の200倍

脱水は洗濯槽を高速で回し、遠心力で水を飛ばす仕組みなので、熱を加えたり吸い込んだりしているのではありません。
回転数が公表されていない機種も多く、家庭用でおよそ毎分1000回転とされ、半径25cmで計算すると衣類には重力の200倍以上の力がかかる計算です。
8. 水では落ちない皮脂汚れ

日本石鹸洗剤工業会の解説によると、かいたばかりの汗は水に溶ける易溶性の汚れなので、たくさんの水で洗い流せば洗剤なしでもある程度落とせます。
ところが皮脂のほうは油に溶ける汚れで水には溶けず、落とすには洗剤の主成分である界面活性剤の働きが欠かせません。
※泥は水になじむ固体の汚れなので、洗濯機の機械力を使えば水洗いでもある程度は落とせます。
9. 詰め込みすぎが異常振動を招く

NITEも注意を呼びかけており、容量を超える洗濯物を入れると洗いや脱水のときに大きく振動し、5年間で6件の破損事故が起きています。
詰め込みすぎで衣類が片寄ると振動につながるため、目安は容量の7〜8割、洗濯槽の上が5cmほど見える程度に抑えたいものです。
※目安の割合はメーカーによって6〜8割と幅があります。
10. 油が付いたタオルは自然発火

NITEの分類では、洗濯機の火災要因でいちばん多いのが油の付いたタオルによる自然発火で、5年間に14件が確認されています。
美容オイルや食用油、塗料などは洗っても繊維に残ることがあり、乾燥機能を使うと酸化で生じた熱がこもって発火する場合があるそうです。
11. 全長13メートルの業務用洗濯機

ホテルや病院のシーツを洗う連続洗濯機は、東京洗染機械製作所のNXTシリーズで最大16槽、奥行は12810mmと全長13メートル近くになります。
洗濯物が槽から槽へ送られながら洗いやすすぎと進み、綿シーツなら1回に60kgを、1kgあたり2.5Lという少ない水で洗えます。
※連続洗濯機はトンネルウォッシャーとも呼ばれます。
12. 寿命7年説は部品保有期間の誤解

内閣府の調査では、買い替え前に使っていた電気洗濯機の平均使用年数は10.1年で、買い替えの理由は故障が76.2%と11品目中で最も高い割合でした。
7年で寿命という通説は、修理用の部品を持つ期間が製造打ち切りから6年とされる話と混ざったものと考えられます。
※ここでいう部品は補修用性能部品のことで、洗濯機は製造打ち切り後6年が保有期間の目安とされています。
更新日:2026年8月9日(日) 04:05

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