成人式に関する豆知識

一生に一度の晴れ舞台である成人式ですが、その華やかな振袖や袴姿の裏側には、意外と知られていない奥深い歴史や伝統が隠されています。

なぜ二十歳で祝うのか、なぜ振袖の袖は長いのかといった疑問から、かつての日本で行われていた驚きの成人儀礼まで、成人式にまつわる興味深い雑学をまとめました。

1. 成人式のルーツは戦後の「青年祭」

1946年、埼玉県蕨町で開催された「青年祭」が現代の式の源流です。敗戦に打ちひしがれた若者に希望を与えようと企画されました。

この志が国を動かし、1948年に「成人の日」が国民の祝日として制定されるきっかけとなりました。

2. 「成人の日」が1月15日だったのは元服が関係している

現在はハッピーマンデー制度で日付が変わっていますが、古来の成人儀礼である元服が、新年最初の満月の日である小正月に行われていたことにちなみます。

1月15日は農作業が一段落する時期で、地域で若者の門出を祝うのに適していました。

3. 民法改正で成人式から「二十歳を祝う会」へ

民法改正で成人年齢が18歳に引き下げられましたが、多くの自治体では受験等への配慮から20歳を対象に式典を続けています。

これに伴い、式典名を「成人式」から「二十歳を祝う会」などへ変更し、20歳の節目を祝う形が定着しました。

4. 名を変えて大人になる「改名」の習慣があった

かつての元服では、子供時代の「幼名」を捨てて新しい名前を名乗る習慣がありました。

これは単なる名前の変更ではなく、幼い自分と決別して社会的な責任を持つ大人に生まれ変わることを意味する、人生の大きな転換点を示す儀式でした。

5. 「お歯黒」は成人の証だった

江戸時代、女性は成人儀礼として歯を黒く染めるお歯黒を行いました。

これは大人の女性の仲間入りをした証であり、当時の美意識では気品を象徴するものでした。

外見を大きく変えることで、精神的な自覚を促す重要な役割を持っていたのです。

6. 「引眉(ひきまゆ)」で表情の変化を抑えていた

かつての女性は成人や結婚を機に眉を剃り落とす引眉を行いましたが、これは表情の変化を抑え、感情を過度に出さないことが大人の嗜みとされたためです。

自制心を持ち、冷静で落ち着いた女性であることが、当時の成熟した理想像でした。

7. 振袖の袖が長いのは「厄除け」のため

振袖の長い袖を振る動作には、古くから「厄を払い清める」という意味が込められています。

成人の儀式において、清らかな体で新たな人生へ踏み出せるようにという願いの表れです。

また、袖を振って思いを伝える情緒的な意味もありました。

8. 振袖は「未婚女性」の礼装だった

振袖は未婚女性の第一礼装であり、かつて袖を振る動作は独身女性の求愛サインだったため、結婚後は袖を振る必要がないとして、袖を短く詰めた留袖を着用しました。

成人式は、独身時代の最高位の正装である振袖を身に纏える、一生に一度の貴重な機会です。

9. 羽織袴は明治時代に正装とされた

男性が成人式で着る紋付羽織袴は、江戸時代まで武士の略礼装でしたが、明治時代に政府が男子の第一礼装として正式に定めたことで、公的な場での正装となりました。

それが現在も受け継がれ、冠婚葬祭などの人生の節目を飾る、最も格が高く威厳に満ちた正装です。

10. 海外には「成人式」という式典がない国が多い

日本のように、地域ごとに同世代が集まる公的な成人式を持つ国は少数派であり、多くの国では誕生日に家族と祝うのが一般的で、アメリカのように十六歳を重視する国もあります。

一斉に式典を行う日本の文化は、世界的に見て独特なものです。

更新日:2026年1月10日(土) 02:25

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