掃除機の雑学10選!最初の1台は馬車で運んで窓から吸った
家の中をきれいに保つのに欠かせない掃除機ですが、その歴史をたどると、馬車で運ぶほど巨大な機械から始まっていたことをご存じでしょうか。
今では一家に一台が当たり前になり、ロボットが勝手に部屋を動き回り、宇宙ステーションでも使われるまでになりました。
身近すぎて気に留めることの少ない道具ですが、その仕組みや成り立ちを知ると意外な発見がたくさんあります。
そんな掃除機にまつわる雑学を10個ご紹介します。
1. 初期の掃除機は馬車で運んだ
1901年にイギリスのヒューバート・セシル・ブースが作った動力式の掃除機は、馬車で運ぶほど大きく家に入らなかったため、路上に停めた車両からホースを窓越しに引き込んで使いました。
ただし手回し式はもっと古く、1860年代のアメリカで特許が取られています。
2. 国産1号機は初任給の半年分
日本で最初の国産掃除機は、1931年に現在の東芝にあたる芝浦製作所が発売したアップライト型の「VC-A型」でした。
価格は110円で、当時の大卒初任給のおよそ半年分にあたる高級品だったため、広く一般家庭に普及したのは戦後の高度経済成長期を待つことになります。
3. 掃除機は買わずに呼ぶものだった
ブースは掃除機そのものを売るのではなく、制服姿の作業員が機械を積んだ馬車ごと出張してくる清掃サービスとして商売にしました。
料金は住み込みメイドの年給に相当したといわれ、依頼主にはバッキンガム宮殿やロシア皇帝ニコライ2世も名を連ねています。
4. 掃除機工場が極秘兵器を作った
アメリカの掃除機メーカーであるフーバーは、1941年から45年まで掃除機の生産を完全に止めていました。
その間に作っていたのは、大戦中の最重要機密の一つとされたVT近接信管の水銀スイッチと電池で、ピーク時には1日あたり10万個規模で生産されていたそうです。
※「VT近接信管」は、目標に近づくと自動で砲弾を爆発させる装置です
5. 紙パックだけでは足りなかった
使い捨ての紙パックは、ゴミを捨てるときに埃が舞い上がらずに済むという点で画期的な発明でした。
ただし花粉やダニのふんのような、目に見えない細かなアレルゲンまで捉えられるようになったのは、1990年代にHEPAフィルターを積んだ機種が広まってからです。
※「HEPA(ヘパ)」は、非常に細かい粒子までとらえる高性能フィルターです
6. ロボット掃除機はビルが先だった
家庭用のロボット掃除機が広まったのは2000年代ですが、業務用の清掃ロボットはもっと早く、日本では1985年に東芝と三井不動産がビル清掃ロボット「AS100」を共同開発しています。
壁からの距離を測りながら自走し、集塵とつや出しと洗浄の3役をこなしました。
7. 静電気は掃除機の味方ではない
ブラシに生じる静電気はホコリを集めてくれそうに思えますが、実際はその逆で、帯電したホコリが床やホースの内側に貼り付いて吸い取りにくくなります。
そのためメーカーは導電性の繊維をブラシに織り込むなどして、静電気をあえて逃がす工夫を凝らしています。
8. 音量は吸引力の目安にならない
掃除機の音が大きいほどよく吸うように感じますが、音の大きさから吸引性能を読み取ることはできません。
騒音の正体はモーターの回転音と空気が高速で流れるときに生じる気流音で、同じ吸引力のままでも遮音や空気の通り道の設計しだいで大きく静かにできます。
9. 宇宙では床ではなく壁を吸う
国際宇宙ステーションでは、毎週土曜日が掃除の日で、宇宙飛行士が実際に掃除機を手にとります。
無重力ではホコリが床に落ちず、空調の気流に乗って部屋を移動するため、掃除機をあてる相手は床ではなく、ホコリがたまる壁の換気グリルやフィルターになります。
10. 排気のきれいさは機種で桁違い
オーストラリアの大学が21機種の掃除機の排気を調べたところ、超微細な粒子の放出量に最大で2万5千倍もの差がありました。
密閉構造に高性能フィルターを組み合わせた機種はほとんど粒子を出しませんが、古く安価な機種は細菌までまき散らしていたそうです。