ラッコに関する豆知識
つぶらな瞳と、胸の上で貝をトントンと叩く姿が愛らしいラッコ。水族館の人気者としてお馴染みですが、実はその生態には驚きの事実がたくさん隠されていることをご存知でしょうか。
ただ可愛いだけではなく、過酷な海の世界で生き抜くための驚異的な身体能力や、人間顔負けの知的な習慣など、知れば知るほど面白い魅力が満載です。
今回はラッコの不思議な雑学を10個厳選してご紹介します。
1. 実はイタチの仲間
愛らしい姿からアザラシに近いと思われがちですが、分類学上はイタチ科に属する動物でカワウソの近縁種にあたります。
彼らはイタチ科の中で唯一海洋生活に完全に適応しており、陸上よりも水中での活動に特化して進化した非常に珍しい存在と言えます。
2. 群れで行動し手をつないで寝る
ラッコはラフトと呼ばれる群れを作って生活しており、睡眠中に潮の流れで仲間と離ればなれにならないよう手をつなぎます。
お互いの手をしっかり握り合いながら海面を漂う微笑ましい姿は、野生の厳しい環境で生き残るための知恵から生まれた行動です。
3. 世界一密度が高い体毛
ラッコには厚い脂肪層がないため、1平方センチメートルあたり約15万本という驚異的な密度の毛を蓄えて体温を維持しています。
全身の毛の数は8億本以上にも達し、毛の間に空気の層を作ることで冷たい海水から皮膚を直接守るという断熱材の役割を果たします。
4. 1日に食べる食事の量は体重の約4分の1
冷たい海の中で体温を一定に保つには膨大なエネルギーが必要なため、毎日自分の体重の約25パーセントに相当する餌を食べます。
体重30キログラムの個体であれば1日に約7キログラムもの貝やウニを摂取しており、常に食事を探して活動し続けています。
5. 道具を使う数少ない哺乳類
霊長類以外で道具を巧みに操る数少ない動物であり、硬い貝を食べる際に石を使って殻を割るという高度な知性を持っています。
仰向けに浮いた状態で胸の上に石を置き、そこに貝を高速で叩きつける動作は、親から子へと受け継がれていく伝統的な学習行動です。
6. 海水から水分を補給できる
多くの哺乳類は海水を飲むと脱水症状に陥りますが、ラッコは高度に発達した腎臓を持っているため海水を直接飲むことが可能です。
強力なろ過機能によって余分な塩分を効率よく尿として排出できるため、陸から離れた外洋でも喉を潤すことが可能となっています。
7. 陸上では意外と動きが鈍い
水中では後ろ足のヒレを使って自由自在に泳ぎ回りますが、足の構造がひれ状に変化しているため陸上での歩行は得意ではありません。
地面を這うようにしてゆっくりと移動する姿は非常にユーモラスですが、外敵に襲われやすいため繁殖時以外は海で過ごします。
8. お気に入りの「石」をポケットに入れている
脇の下にある皮膚のたるみをポケットのような収納スペースとして使い、貝を割るのに適した自分専用の石を常に持ち歩いています。
石を探す手間を省くための工夫であり、中には一生涯同じ石を大切に使い続けるこだわり派の個体もいます。
9. 日本で見られる水族館はわずか2ヶ所
かつては全国各地の水族館で人気でしたが、現在は三重県の鳥羽水族館と福岡県のマリンワールド海の中道の2カ所のみです。
ワシントン条約による輸入規制や個体の高齢化が進んだ結果、国内で本物のラッコに会える機会は極めて貴重になっています。
10. 日本の海にも野生のラッコがいる
水族館でしか見られないと思われがちですが、現在は北海道の東部にある霧多布岬付近などに野生のラッコが定着しています。
かつては乱獲により姿を消していましたが、ロシア側から移動した個体が繁殖に成功し、運が良ければ陸から見ることができます。