ラッコの雑学10選!手つなぎ睡眠は野生ではほぼ見られない
仰向けにぷかぷかと浮かんで、胸の上で貝をトントンと割る姿でおなじみのラッコ。
愛らしい見た目から水族館の人気者として親しまれていますが、その暮らしぶりは、冷たい海を生き抜くための工夫にあふれています。
哺乳類でいちばん密な毛、石を道具として使いこなす器用さ、そして日本の水族館から静かに姿を消しつつある現状まで、知るほどに奥行きのある動物です。
そんなラッコにまつわる雑学を10個ご紹介します。
1. フワフワすぎて潜れない赤ちゃん
生まれたばかりのラッコはバースコートと呼ばれる特別な毛におおわれ、空気を含みすぎて浮いてしまい、自力では潜れません。
母親が餌をとりに潜るあいだ赤ちゃんは水面で待つしかなく、生後2か月ほどで毛が生え替わると、ようやく一緒に潜れるようになります。
2. 手つなぎで眠るのは水族館の姿
ラッコは水面でラフトと呼ばれる群れを作りますが、手をつないで眠る有名な光景は水族館の映像が広まったもので、野生ではめったに見られません。
長年野生を追う研究者も見たのは数えるほどだといい、野生では長い海藻を体に巻きつけて流されないようにします。
3. 毛の密度は哺乳類で一番
ラッコには厚い脂肪の層がないため、1平方センチメートルあたり10万本から15万本という、哺乳類でもっとも密な毛で体温を保っています。
全身では8億本から10億本にもなり、毛のあいだの空気の層が断熱材のように働いて、冷たい海水が皮膚に触れるのを防いでいます。
4. 毎日体重の3割近くを食べる
冷たい海で体温を保つには大量のエネルギーがいるため、ラッコは1日に体重の20から30パーセントもの量を食べます。
体重40キログラムなら毎日10キログラムほどの貝やウニを食べる計算で、食べたものは数時間で外に出るため、起きているあいだはほぼ食事を探します。
5. 石を道具にして貝を割る
ラッコは霊長類以外では数少ない道具の使い手で、仰向けに浮かんで胸に石をのせ、そこへ貝を打ちつけて割ります。
この力は生まれつきらしく、赤ちゃんは獸物がなくても胸を叩くしぐさをしますが、実際に石を使うかは獸物の種類や周りの仲間しだいだと考えられます。
6. 海水をそのまま飲める
アザラシやイルカは海水をほぼ飲みませんが、ラッコは平気で海水を飲み、そこから水分をおぎなえます。
体の大きさのわりに大きな腎臓を持ち、海水よりも濃い尿を作って余分な塩分を効率よく捨てられるため、陸から遠く離れた海の上でものどをうるおすことができます。
7. 陸ではスキップして歩く
後ろ足がひれのような形のため、ラッコは陸上での動きがぎこちなく、四本足でよちよちと歩いたり、平らな床では跳ねるように二本足で進んだりもします。
カワウソの仲間で海の上で出産するのはラッコだけで、陸に上がるのはおもに体を休めるためだと考えられています。
8. 脇の皮膚がポケット代わり
ラッコの前足の付け根あたりには皮膚のたるみがあり、とった貝や石を一時的にはさんで運べます。
袋状のポケットがあるわけではなく、お気に入りの石を一生持ち歩くという話も有名ですが、野生では必要なとき手ごろな石を拾い、使い終わると落としてしまうようです。
9. 日本で会えるのは1館だけ
かつては全国28の施設で100頭を超えるラッコが飼育されていましたが、2025年に福岡の水族館の個体が亡くなり、いま日本で会えるのは三重県の鳥羽水族館だけです。
ワシントン条約などで海外からの輸入が絶え、国内での繁殖も世代を重ねるうちに難しくなったためです。
10. 北海道の海にも住んでいる
水族館でしか見られないと思われがちですが、北海道東部の納沙布岬から霧多布岬にかけての海域には野生のラッコが定着しています。
乱獲で姿を消したあと、北方四島の周辺で増えた個体が移ってきたのではないかと考えられており、運がよければ岬から観察できます。
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