カバの雑学13選!草食のはずが実は肉も食べている
大きな口とずんぐりした体つきで、のんびりと水に浸かっているカバ。
動物園でも人気者で、穏やかでおっとりした動物というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
ところが実際のカバは、走れば一瞬だけ宙に浮き、草食のはずなのに肉を口にすることもある、意外性のかたまりのような生き物です。
ピンク色の汗や、南米で野生化した群れなど、驚かされる話も尽きません。そんなカバにまつわる雑学を13個ご紹介します。
1. 実は泳がずに水底を跳ねる
カバは一日の大半を水の中で過ごしますが、骨がとても重いため体が水に浮きにくく、いわゆる泳ぎ方はほとんどしません。
深いところでは息を止めて底へ沈み、足で川底を蹴って跳ねるように進むため、その動きは月面を歩く宇宙飛行士にたとえられることもあります。
2. ピンク色の汗は汗ではない
カバの皮膚からは赤やピンク色の液がにじみ出て、血の汗と呼ばれることがありますが、実はカバに汗腺はなく、これは粘液腺から出る分泌物です。
ヒッポスドリン酸などの色素が強い紫外線を吸収して日焼けを防ぎ、さらには細菌の繁殖を抑える働きも確認されています。
3. 走ると一瞬だけ宙に浮く
ずんぐりとした体型からは想像しにくいのですが、興奮したカバは時速30kmほどの速さで突進してくると報告されています。
2024年の研究では、速く走るときに四本の脚がすべて同時に地面を離れる瞬間があり、およそ0.3秒だけ体が宙に浮いていることが確かめられました。
4. ワニには強いがライオンは苦手
カバは縄張り意識が非常に強く、子どもに近づいたワニを巨大な牙で襲って殺してしまうこともあるほど攻撃的です。
一方でライオンに対しては、群れで追い払う姿が撮影される反面、基本は水へ逃げ込んで身を守り、子どもが襲われることもあると報告されています。
5. 草食のはずが肉も食べる
カバは草だけを食べる動物だと長く考えられてきましたが、他の動物の死骸から肉を食べる行動がアフリカ各地の野生下で確認されています。
共食いの記録もあり、研究者はこの習性が、カバの間で炭疽という感染症による集団死が起きやすい理由の一つだと指摘しています。
6. 口は150度まで開く
カバが水面で大きく口を開ける姿はのんびりとあくびをしているように見えますが、あごの関節が後ろにあるおかげで150度近くまで開き、人間の45度をはるかに超えています。
巨大な牙を見せる威嚇の合図である一方で、強い相手に降参を伝えるための合図としても使われます。
7. 巨体のわりに小食な体質
カバはゾウとシロサイに次いで体重が3番目に重い陸の哺乳類で、大きなオスの体重は平均でおよそ1.5トンにも達します。
ところが一晩に食べる草は25kgから40kgほどで、これは体重のわずか1%台にすぎず、ウシやシロサイなどと比べてもかなりの小食な動物だといえます。
8. 一番近い親戚はクジラ
ずんぐりした姿と大きな鼻先からブタの仲間のように見えますが、遺伝子の研究により、いま生きている動物のなかで最も近い親戚はクジラやイルカだと分かっています。
水中で音を聞き取るための耳の構造もイルカとよく似ており、鳴き声の8割ほどは水の中で発せられます。
9. 知らない声にフンをまき散らす
カバはウィーズホンクと呼ばれる独特の鳴き声で仲間を聞き分けており、隣の群れの個体か見知らぬ相手かを声だけで判断できます。
2022年の実験では、知らない個体の声を聞かされたカバがより攻撃的に反応し、フンをまき散らす確率が高まることが示されました。
10. 南米で野生化したカバの群れ
麻薬王パブロ・エスコバルが自分の私設動物園に持ち込んだ4頭のカバが、彼の死後にコロンビアの川へと逃げ出して野生化しました。
天敵のいない環境で数を増やし、現在は約169頭にまで達したとされ、政府は不妊化や間引きといった対策に本格的に乗り出しています。
11. 川の栄養を運ぶフンの力
カバは夜のあいだに陸へ上がって草を食べ、昼は水に戻ってフンをするため、陸の養分を川へ運ぶ大きな役割を担っています。
2019年の研究では、東アフリカのマラ川を流れるケイ素の7割以上にカバが関わっており、川全体の生き物を支えていることが明らかになりました。
12. 初代米大統領の入れ歯の材料
ジョージ・ワシントンの入れ歯は木で作られていたと今でもよく語られがちですが、実際に木は一切使われておらず、主な材料はカバの牙でした。
削り出したカバの象牙に人間や動物の歯を金の針金で留めた作りで、現存する4組の入れ歯が今も大切に保管されています。
13. 65歳まで生きた記録がある
野生のカバの寿命はおよそ40年ほどで、動物園などの飼育下であっても寿命の中央値は37年前後にとどまるとされています。
ただしフィリピンのマニラ動物園で暮らしていたベルサは2017年に65歳で亡くなり、飼育下で最も長生きしたカバとして世界的に知られています。