犬の雑学14選!うるうる目は人に飼われて生えた筋肉

散歩のたびに地面へ鼻を押しつけたり、玄関の物音だけで家族の帰りを言い当てたり、寝ながら手足をぱたぱた動かしたり、犬は毎日そばにいるのに不思議なところがたくさんある生き物です。

その鼻や耳、尻尾の振り方には人とはまるで違う仕組みが隠れていて、近ごろの研究でその中身が少しずつ分かってきました。

長く語られてきた言い伝えが、調べ直すと違っていたという話もあります。

そんな犬にまつわる雑学を14個ご紹介します。

1. 嗅ぎ分ける鼻の吸って吐く道

犬は吸った空気の一部だけを嗅覚専用の通り道へ送り分け、吐く息は鼻の穴の横のスリットから逃がすので、匂いの元を吹き飛ばさずに嗅げます。

匂いの受容体は2〜3億個あり、約600万個の人より1万倍から10万倍ほど敏感とされますが、物質による差は大きいようです。

2. 45000ヘルツまで届く耳

犬に聞こえる音の高さは約67〜45000ヘルツで、約64〜23000ヘルツの人よりずっと高い音まで届きます。

ただし低い音は20ヘルツ台まで聞こえる人のほうが得意で、音がどちらから来たかを当てる精度も人が上とされ、音の聞き分けで犬が人に全部勝つわけではありません。

3. うれしいと右へ振れる尻尾

飼い主など好ましい相手を見たときの犬の尻尾は右寄りに、見知らぬ強そうな犬に対しては左寄りに振れるという報告があります。

左右に偏った振り方をする犬の映像を見た犬は心拍やストレスの反応が変わり、犬同士もこの左右差を読み取っていると考えられています。

4. 寝ながら動くのは脳のブレーキ

犬にもレム睡眠があり夢を見ていると考えられていますが、言葉で聞けないため直接の証明はできていません。

子犬や老犬が寝ながら手足をよく動かすのは、体の動きを止めるブレーキ役をする脳の橋という部分が未熟だったり衰えたりしているためとされています。

※「橋(きょう)」は脳幹の一部で、眠っている間に体が動きすぎないよう抑える役目をしています。

5. 青と黄だけで見ている世界

犬の目は青と黄の2種類の光をとらえる二色型色覚で、赤やオレンジ、緑の見分けが苦手だと考えられています。

そのため赤色のおもちゃは緑の芝生とほぼ同じ色に見えてしまい、青や黄色のおもちゃのほうが見つけやすいとされ、白黒に見えているという話は誤りです。

※「二色型色覚(にしょくがたしきかく)」は、色を感じ取る細胞が2種類しかない見え方のことです。

6. 鼻の模様で迷子犬を探す

犬の鼻の模様は一頭ずつ違うとされ、カナダのケネルクラブは1938年から鼻紋を犬の身分証明として受け付けています。

日本でも鼻紋をAIで照合するアプリが自治体の迷子犬の保護に実際に使われていて、2022年時点で登録は約3400頭、認証の精度は約92%と報告されています。

※日本の血統書ではDNAとマイクロチップが使われ、鼻紋は用いられていません。

7. 舌と鼻で熱を捨てる仕組み

暑いとき犬は鼻から吸い口から吐く一方通行の流れを作り、舌や口の中に加え鼻の奥の粘膜からも水分を蒸発させて熱を逃がします。

体温調節に使える汗腺は肉球だけですが、体が毛に覆われているためその汗はほとんど体を冷やさず、散歩で残る濡れた足跡がその跡です。

※このハアハアという速い呼吸をパンティングと呼びます。

8. 雪の上でも凍らない肉球

犬の肉球には動脈のまわりを静脈が取り巻く構造があり、戻ってくる血が行きの血から熱を受け取る熱交換器のように働きます。

おかげで雪や氷の上に立っても肉球は凍りにくく、体の中心の熱も外へ逃げにくいため、寒い土地でも元気に活動しやすいと考えられています。

9. 人のストレスは匂いで分かる

犬4頭に720回試した実験では、人がストレスを感じているときの汗や息の匂いを93.75%の正解率で当てたという報告があります。

人が泣いていると初対面の相手にも犬は近づいてくることが知られ、これは共感というより感情がうつる情動伝染に近いと考えられています。

※「情動伝染(じょうどうでんせん)」は、そばにいる相手の感情が自分にもうつる現象のことです。

10. 人に飼われて生えた眉の筋肉

犬にはオオカミにほとんど見られない内側眼角挙筋という眉の内側を持ち上げる筋肉があり、6犬種中5犬種で発達が確認されています。

この筋肉が作る表情は人の赤ちゃんに似ていて世話をしたい気持ちを引き出すとされ、約3万3000年で起きた変化と考えられています。

※「内側眼角挙筋(ないそくがんかくきょきん)」は、まゆの内側を持ち上げて困り顔のような表情を作る筋肉です。

11. 名前を1022個覚えた犬

アメリカの心理学者ジョン・ピリー氏が育てたボーダーコリーのチェイサーは、おもちゃの名前を1022個も聞き分けられました。

先に有名になったリコが約200語だったのと比べて5倍以上で、知らない言葉を聞くと知っている物を消していき新しい物を選ぶこともできました。

12. ハチ公の死因は串ではない

ハチ公が飼い主の上野英三郎博士と暮らせたのは1年ほどで、その後は9年ほど渋谷駅に通い続けました。

1935年の解剖で胃から竹串が4本見つかり焼き鳥の串が死因と語られましたが、2011年の再調査で肺の癌肉腫の心臓への転移が分かり、串は死因ではないとされました。

※「癌肉腫(がんにくしゅ)」は、性質の異なる2種類の悪性の細胞が混ざった腫瘍のことです。

13. 南極で1年生き抜いた兄弟

1958年、悪天候で昭和基地から撤収した第1次越冬隊は、15頭のカラフト犬を鎖につないだまま残さざるを得ませんでした。

約1年後の1959年1月14日、第3次隊のヘリコプターが基地に降りるとタロとジロが走り寄ってきて、人の助けなしで南極の冬を越したと分かりました。

14. 背丈が11倍ちがう2頭

ギネス世界記録で現存する世界一背の高い犬は、アメリカのグレート・デーンのレジナルドで、肩までの高さは100.7センチあります。

世界一小さい犬はフロリダのチワワのパールで9.14センチしかなく、2025年に2頭が実際に対面したときの差はおよそ91センチにもなりました。

あわせて読みたい

コメントを入力