フクロウの雑学10選!首は270度回るが眼球は全く動かない
暗い夜の森を音もなく飛び、大きな丸い目でじっとこちらを見つめるフクロウ。その神秘的な姿から、昔から知恵の象徴として語られたり、幸運を呼ぶ縁起物として大切にされたりしてきました。けれども実際のフクロウには、首の回り方や目の作り、食べたあとの意外な習性など、見た目からは想像しにくいふしぎな体の秘密がたくさん隠れています。知れば知るほど魅力が増していく、そんなフクロウにまつわる雑学を10個ご紹介します。
1. 音もなく空を舞う羽の秘密
フクロウの風切羽の縁には櫛の歯のような細かいギザギザがあり、これが空気の流れを整えて飛ぶときの音をほとんど立てないようにしていると考えられています。そのおかげで獲物に気づかれないまま静かに近づくことができ、暗い森でも狩りを有利に進められるのです。
※「風切羽(かざきりばね)」は翼の外側にある大きな羽根のことです。
2. 首が270度回る理由
フクロウは首を左右に270度回すことができ、頸椎の数も人間の7個に対して14個と多いことが知られています。2013年のジョンズ・ホプキンス大学の研究では、首の骨の穴が動脈より太く、血管に迂回路や血をためるふくらみがあることが分かり、血流を保つ工夫が示されました。
※「頸椎(けいつい)」は首の部分にある背骨のことです。
3. 縁起物として愛される訳
フクロウは「不苦労」で苦労しない、「福来郎」で福が来るといった語呂合わせから、日本で縁起物として親しまれています。置物やお守りは新築祝いなどの贈り物としても人気があり、家や店を見守ってくれる守り神のような存在として飾られることもとても多いようです。
4. 世界に広がる仲間たち
フクロウの仲間は分類のしかたによって数が変わりますが、およそ220〜250種がいるとされます。小さなエルフアウルは全長12〜15cmほど、大きなシマフクロウは70cm前後にもなり、森林や草原、砂漠から人の暮らす都市部まで、南極を除く全ての大陸に幅広く暮らしています。
5. ホーホーだけじゃない声
「ホーホー」と鳴いて縄張りを示す種もいますが、これはフクロウ全体に当てはまるわけではなく、メンフクロウのように「シャーッ」と鳴く種もいます。鳴き声には個体差があり、研究では声から個体を見分けられることも確認されていて、声紋のような役割を果たします。
6. 骨と毛を吐き出す習性
フクロウはネズミなどの獲物を丸呑みにして、消化できなかった骨や毛を「ペリット」と呼ばれる塊にまとめ、口から吐き戻します。ペリットをほぐして中の骨を調べると、いつ何を食べたのかが細かく分かるため、野外での生態調査や学校の教材としても活用されています。
7. 眼球が動かない目の構造
フクロウの眼球は細長い筒のような形をしていて、強膜輪という骨のリングに固定されているため、眼球そのものはほとんど動かせません。その代わりに首をよく回して視野を補っており、両目が正面を向いて視野が重なることから、奥行きをつかむのが得意だとされます。
※「強膜輪(きょうまくりん)」は眼球を支える骨のリングです。
8. 耳の高さが左右で違う謎
メンフクロウなど一部の種では左右の耳の高さがずれていて、両耳に届く音のわずかな差から、音の上下方向まで聞き分けられるとされます。この仕組みのおかげで、光がほとんど届かない真っ暗な夜でも、落ち葉の下にいるネズミの位置まで正確に探り当てられるのです。
9. 知恵の象徴になった経緯
古代ギリシャでは、フクロウは知恵をつかさどる女神アテナの聖鳥とされ、都市アテネの銀貨にも大きな目をしたその姿が刻まれていました。こうした強い結びつきが受け継がれるうちに、知恵や学問を連想させる鳥というイメージが西洋の各地に広がっていったとされます。
10. 耳に見える飾り羽の謎
頭の上にぴんと立つ耳のような飾りは羽角と呼ばれますが、これは羽毛の飾りであって耳ではなく、音を聞き取る役には立っていないと考えられています。役割はまだはっきりしておらず、木の葉に紛れて姿を隠す擬態のためという説が有力とされるなど、諸説がある段階です。
※「羽角(うかく)」は頭の上に突き出た飾り羽のことです。
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