語源の雑学10選!トランプは英語ではまるで通じない
毎日なにげなく使っている言葉にも、由来をたどってみると意外な出発点にたどりつきます。
給料を表すサラリーが古代ローマの塩と結びつけられたり、寝るときに着るパジャマがもとはズボンを指す言葉だったりと、今の意味からは想像しにくい道のりを歩んできた言葉は少なくありません。
よく知られた語源の中には、ずっと後の時代に作られた説がそのまま広まってしまったものもあります。
そんな語源にまつわる雑学を10個ご紹介します。
1. サラリーの塩代説は怪しい
サラリーは、ラテン語で塩を意味するサルから生まれたサラリウムが語源です。
古代ローマの兵士が塩を買うためのお金をもらっていたからだと長く語り継がれてきましたが、当時の文献に裏づけはなく、18世紀の辞書編集者による推測が広まったものと考えられています。
※サラリウムは、もともと官職に就いた人へ支給される手当を指す言葉でした。
2. パジャマの正体はズボン
パジャマは、ペルシャ語で足を意味するパーイと、衣服を意味するジャーマが合わさった言葉が語源です。
もとは足を包む服ではなく、腰ひもで締めて履くゆったりとしたズボンを指しており、それがインドの言葉を経て英語に伝わり、寝間着を指す言葉として広まりました。
※パジャマという言葉が英語に入ったのは1800年ごろで、インドで話されていた言葉を経由して伝わりました。
3. 伯爵は賭博場にいなかった
サンドイッチ伯爵がカードに夢中で食事をパンに挟ませたという話は、1770年に出た旅行記に伝聞として書かれたものです。
現存する最古の記録である1762年のギボンの日記に賭博の話は出てこず、多忙な執務の合間に食べたのが実際のところではないかと言われています。
4. ナポリタンは横浜生まれ
ナポリタンは、横浜のホテルニューグランドで総料理長を務めた入江茂忠が考案したという説が有力です。
進駐軍がゆでたスパゲッティにトマトケチャップをかけて食べる様子を見て、生のトマトから作ったソースを使う一皿に仕立て直したのが始まりだと伝えられています。
※ケチャップを使う今のナポリタンは、町の洋食店を通じて広まったと言われています。
5. コーヒーは黒いものの意
コーヒーは、アラビア語のカフワが語源で、これは食欲を失わせるものという意味の言葉から来たと長く説明されてきました。
ただし現在では、それ自体が後づけの解釈で、暗い色を表すセム語の語根にさかのぼるという見方のほうが有力だと考えられるようになっています。
6. 昔のチョコは苦い飲み物
チョコレートは、もともとメキシコの先住民が飲んでいた、砂糖を使わない苦い飲み物でした。
語源はナワトル語のショコラトルで苦い水を意味するとも言われますが、当時の文献にその形は見つかっておらず、かき混ぜる棒を指すチコラトルに由来するという説もあります。
※「ナワトル語」はアステカの人々が話していた言葉で、今もメキシコの一部で使われています。
7. アルコールは目の化粧粉
お酒のアルコールは、アラビア語で目のふちに塗る黒い化粧粉を指すアル=クフルが語源です。
もとは鉱石を熱して得た極めて細かい粉を意味していたものが、やがてそのものの精髄という意味へと広がり、蒸留して取り出したお酒の成分そのものを指す言葉になりました。
※「コール」は輝安鉱などを熱してつくった、目のふちに塗るための黒い粉のことです。
8. 2つの町の名を着ている
ジーンズという名前は、イタリアの港町ジェノヴァのフランス語読みに由来し、もとはそこで織られた丈夫な綿の布を指す言葉でした。
一方で今のジーンズに使われるデニムは別の町の名前から来ており、1本のズボンに2つの町の名が重なり合って残っていることになります。
※デニムは、フランスの町ニームの布を指す「セルジュ・ド・ニーム」が縮まった言葉です。
9. トランプは英語で通じない
日本語のトランプは英語では通じず、trumpは切り札だけを指す言葉で、カード一式はプレイングカードと呼ばれます。
切り札という意味の単語が、日本ではなぜか遊び全体の名前として定着してしまったわけで、カードのほうはラテン語で紙を意味するカルタが語源です。
※カルタは、パピルスの葉を意味するギリシャ語から取り入れられた言葉です。
10. マオンはスペインの港町
マヨネーズという名前の語源は、スペインのメノルカ島にある港町マオンの名にちなむという説がよく知られています。
ただし卵黄を意味する古いフランス語から来たという説や、バイヨンヌという町の名に由来するという説もあり、どれが正しいかはまだ決着していません。
※メノルカ島は、スペインの東の地中海に浮かぶバレアレス諸島の島の一つです。