チーターの雑学13選!他の個体の皮膚を移植しても拒まない

地上最速の動物として知られるチーター。

しなやかな体でサバンナを駆け抜ける姿は野生の王者そのものですが、実際の狩りでめったに全速力は出さず、鳴き声もライオンのような咆哮ではなくニャーという可愛い声だといいます。

生まれたばかりの赤ちゃんは親と似ても似つかない姿をしていて、血縁のない相手の皮膚を移植しても拒絶しないという驚きの一面まで持っています。

そんなチーターにまつわる雑学を13個ご紹介します。

1. 名前はまだら模様が由来

英語のチーターという名前は、ヒンディー語を経てサンスクリット語のチトラカにさかのぼるとされ、チトラにはまだらの、鮮やかな模様のという意味があります。

もともとはヒョウを指す言葉だったとも言われ、インドでは両者が同じ語で呼ばれていた経緯もあるそうです。

2. 陸上最速は時速100キロ級

陸上で最も速く走る動物で、飼育個体の計測では時速約104キロ、野生個体にGPS首輪を付けた調査でも最高で時速93キロが記録されています。

ただし実際の狩りで出す速度は平均すると時速54キロほどで、追跡の距離も平均200メートルに届かず、全力を出す場面はまれです。

3. 勝負を決めるのは急ブレーキ

野生での調査によると、狩りの成否を分けていたのは最高速度ではなく、素早く減速して鋭く曲がる能力でした。

1歩で時速10キロ近く加速し、1歩で時速14キロほど落とせるうえ、半分しか引っ込まない爪と硬い肉球がスパイクのように地面をつかみ、急旋回を助けます。

4. 狩りの成功率は場所しだい

成功率は場所や獲物で大きく違い、セレンゲティのトムソンガゼル相手では70パーセント、クルーガーのインパラでは約21パーセントと報告されています。

昼行性とされてきましたが、実測では狩りの2割ほどが日没から日の出の間に行われ、月のない夜でも成り立ちます。

5. 目の下の線は役割が謎

目頭から口元へ伸びる黒い筋はマラーストライプと呼ばれ、涙の跡に見えるためティアマークの別名もあります。

日光のまぶしさを抑えるサングラスの働きがあるという説はありますが、チーターで確かめられた例はなく、表情を伝える模様ではないかという見方も出ています。

※マラーストライプは、目の下から頬に沿って走る涙のような黒い筋模様を指す呼び名です。

6. 尻尾は見た目ほど重くない

尻尾は体重の10パーセントほどの重りとして働くと長く思われていましたが、解剖で調べると実際は体重の2パーセントにも届きませんでした。

太く見えるのは毛のためで、そのふさふさの毛が空気の抵抗を受け、体の回転を打ち消して姿勢を保つ役目を担っているようです。

7. 鳴き声はニャーと小鳥の声

ライオンやトラのように吠えることはできず、これは喉の構造の違いによるものです。

飼育個体の音声を分析すると最も多いのがニャーという声で、1キロ以上先まで届く小鳥のようなチャープや喉を鳴らす音のほか、うなり声やシャーという威嚇の声も使い分けています。

※チャープは、小鳥のさえずりに似た短く高い鳴き声のことです。

8. 水は4日に一度でも平気

セレンゲティのチーターはふだん4日おきに水を飲む程度で、カラハリ砂漠にすむ個体は最大10日も水なしで過ごせるといわれています。

足りない水分は獲物の血や体液から取り込み、カラハリでは野生のウリの仲間であるツァンマメロンをかじって補うことも知られています。

※ツァンマメロンは南部アフリカの乾いた土地に育つ野生のウリで、水分をたっぷりため込んでいます。

9. 奪われても意外と余裕

走ることに全てを注ぎ込んだ体は他の大型肉食獣より力が弱く、サバンナの最弱と呼ばれてしまうこともあるそうです。

セレンゲティの調査では結末の分かった431件の狩りのうち69件、およそ13パーセントで獲物を横取りされ、その8割ほどはブチハイエナによるものでした。

10. 赤ちゃんは銀色のマント姿

生まれたばかりの子は背中に銀灰色の長い毛をまとい、親とは似ても似つかない姿で、この毛はマントと呼ばれています。

気性の荒さで知られるラーテルに似せた擬態ではないかという説があり、マントは生後3か月ごろに抜け始め、6か月ほどで親そっくりの姿になります。

※ラーテルはイタチの仲間で、体が小さいわりに気の荒いことで知られる動物です。

11. 皮膚を移植しても拒まない

1985年の研究で血縁のない14組の個体に皮膚を移植したところ、どれも拒絶されずに生着したと報告されています。

ゲノムの約93パーセントが同じ型で、遺伝的多様性はイエネコの15パーセントしかないため、免疫が他の個体の皮膚を自分のものと見なしてしまうようです。

12. 皇帝が集めた9000頭

16世紀インドのムガル帝国の皇帝アクバルは、狩りの相棒として生涯で9000頭ものチーターを集めたという記録が残っています。

ところが飼育下で子が生まれたのは1613年の1例だけで、野生からの捕獲に頼り続けたことも一因となり、インドでは1952年に絶滅が宣言されました。

※ムガル帝国は16世紀から19世紀にかけてインドを治めたイスラム系の王朝です。

13. キングチーターは模様違い

背中の斑点がつながって3本の太い黒い縦じまになった個体はキングチーターと呼ばれ、めったに出会えない存在です。

1927年には新種として発表されましたが、1981年に普通の斑点の親から生まれたことで、Taqpepという遺伝子の変異による模様違いだと決着しました。

※Taqpepは毛の模様のでき方に関わる遺伝子で、イエネコの渦巻き模様にも関係しています。

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