お盆の雑学12選!盆踊りは明治に禁止された

夏になると当たり前のようにやってくるお盆。

実家に帰ったり、お墓参りをしたり、なんとなく過ごしている方も多いのではないでしょうか。

でも、なぜきゅうりの馬を作るのか、なぜ7月と8月に分かれているのか、意外と知らないことばかりです。

調べてみると、親孝行の失敗談から始まった行事だったり、地域によってまるで別物だったりと、驚くような話が次々に出てきます。

そんなお盆にまつわる雑学を12個ご紹介します。

1. 「お盆」の語源は謎だらけ

「お盆」の語源には複数の説があり、決着していません。

サンスクリット語で逆さ吊りの苦しみを意味するウランバナの音写とする説が通説ですが、古代イラン語で霊魂を指すウルヴァン由来とする説や、飯を盛る器を指すという説、飯をのせた盆だとする新説もあります。

※「音写(おんしゃ)」は外国語の音を漢字に写したものです。

2. お盆の始まりは親孝行の失敗談

お盆の由来は『盂蘭盆経』に登場する目連尊者の話とされ、餓鬼道に落ちた母を救おうと食べ物を差し出したところ、口に入る直前に燃えて灰になってしまいました。

困った目連が釈迦に相談し、助言どおり僧たちに供養したことで母は救われたと伝えられています。

※「目連(もくれん)」は釈迦の弟子の一人です。

3. お盆が7月と8月に分かれた理由

明治5年の改暦で暦が約1か月ずれたことがきっかけとされ、東京など都市部は新暦の7月15日をそのままお盆としました。

一方、新暦の7月は農繁期と重なる地方が多かったため、1か月遅らせた8月15日前後を盆とする地域が広がり、現在は8月盆のほうが多数派です。

4. お盆休みは祝日ではない

お盆休みは国民の祝日でも法定休暇でもなく、それでも多くの職場が休むのは、江戸時代に奉公人が正月と盆の16日前後に実家へ帰った藪入りの名残とされています。

そこへ月遅れ盆の習慣と企業の一斉休業が重なり、8月13日から16日という形が定着したと言われています。

※「藪入り(やぶいり)」は奉公人が休みをもらって実家に帰ることです。

5. きゅうりとなすが選ばれた事情

精霊馬のきゅうりの馬となすの牛は、平安期には瓢や麦わらで作られ、江戸時代に庶民へ広まる中で、夏に大量に採れて手に入りやすいなすときゅうりに定着したとされます。

置き場所は玄関の外や仏壇のそばなど地域で違い、西日本には作らない地域も多くあります。

※「瓢(ひさご)」はひょうたんのことです。

6. 細かく刻む供え物「水の子」

水の子は、洗米になすときゅうりを賽の目に細かく刻んで混ぜ、水を張って蓮の葉などにのせて供えるものです。

餓鬼は口が針の穴ほどしかないとされ、そこを通るサイズにするという理屈で、これは自分の先祖ではなく、縁のない外精霊や無縁仏のための供え物です。

※「外精霊(そとしょうりょう)」は家に縁のない霊のことです。

7. 盆踊りが取締りを受けた過去

盆踊りは平安中期の僧・空也が始めた踊り念仏が源流とされ、鎌倉期の一遍が各地に広めたと伝えられています。

ところが江戸時代には夜通し踊る男女の出会いの場として過熱し、明治期には風紀を乱すとして各地で取締りを受け、開催が禁止された地域もありました。

※「空也(くうや)」「一遍(いっぺん)」はどちらも念仏を広めた僧です。

8. 32夜続く日本一長い盆踊り

岐阜の郡上おどりは7月中旬から9月上旬まで例年32夜開かれ、日本一開催日数が長い盆踊りとされます。

8月13日から16日は明け方まで踊り続ける徹夜おどりで、2022年11月には全国41件の民俗芸能をまとめた「風流踊」の一つとしてユネスコ無形文化遺産に登録されました。

※「風流踊(ふりゅうおどり)」は各地の民俗芸能をまとめた登録名です。

9. 「大文字焼き」と呼ばない理由

京都の五山送り火を「大文字焼き」と呼ぶのは地元では嫌われ、焼くのではなく送り火を焚くものだからというのが理由とされます。

現在の5つは生き残りで、かつては10山ほどあったとされますが、江戸時代には「大文字焼」という表記が使われた記録も残っています。

10. 爆竹が鳴り響く長崎の初盆

長崎の精霊流しは、その年に亡くなった人の遺族が行う初盆の行事で、爆竹とロケット花火を鳴らし続けます。

爆竹は中国から伝わった彩舟流しの影響とされ、音で道を清める意味があると言われますが、燃えがらだらけの道路は終了後の4時間ほどで元通りになります。

※「彩舟流し(さいしゅうながし)」は船を作って流す中国由来の行事です。

11. あの世のお金を燃やす沖縄の盆

沖縄のお盆は今も旧暦の7月13日から15日に行われ、最終日のウークイでは、ウチカビというあの世のお金を燃やして先祖を送り出します。

枚数は家長が5枚、ほかの家族は3枚ずつが一般的とされ、門前などには先祖が帰り道に使う杖に見立てたサトウキビを立てます。

※「ウークイ」は先祖をあの世へ送り出す日のことです。

12. 「お盆玉」の意外な歴史

お盆玉の原型は江戸時代、東北の山形県で、盆と正月に帰省を許された奉公人へ着物や下駄を渡した風習とされ、現金に変わったのは昭和初期です。

「お盆玉」という言葉は山梨県の紙製品メーカーが2010年に商標登録し、2014年に郵便局がポチ袋を扱い始めて広まりました。

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