はちみつの雑学11選!ローマ軍を錯乱させた毒の蜜
パンに塗ったり紅茶に落としたり、はちみつは食卓にすっかり馴染んだ甘味料です。
けれども瓶の中身をたどっていくと、小さな蜂が気の遠くなる距離を飛んで集めた蜜であり、時には人を酔わせる成分を含み、9000年前の人類が崖をよじ登ってまで手に入れていたものだとわかります。
甘いだけではないその素顔を知ると、次の一さじの味わい方が少し変わるかもしれません。
そんなはちみつにまつわる雑学を11個ご紹介します。
1. 砂糖にない賞味期限がある
はちみつは水分が少なく酸性なうえ、蜂由来の酵素が過酸化水素を作るため、密封されていれば理論上ほとんど腐りません。
それでも食品表示基準では、賞味期限を省略できる砂糖や食塩と違って表示が義務づけられており、水分を吸ってしまうと発酵することもあります。
2. 食べると酔う狂った蜂蜜
ネパールやトルコの高地で採れるマッドハニーは、シャクナゲの蜜に含まれるグラヤノトキシンのせいで、口にすると脈や血圧が下がってしまうことがあります。
紀元前67年にはこの蜜を街道に置いた罠にローマ軍がかかり、錯乱したところを襲われたと伝えられています。
3. 踊りで蜜のありかを伝える
働き蜂は巣に戻ると8の字を描くように踊り、太陽に対する角度で花畑の方角を、腰を振る時間の長さでそこまでの距離を仲間に伝えます。
この踊りの意味を解き明かしたオーストリアのカール・フォン・フリッシュは、1973年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
4. 国産はちみつは全体の1割
日本で消費されているはちみつの9割以上は輸入品で、国内の養蜂でまかなえている割合は6%ほどにとどまります。
輸入の7割前後を中国産が占めているとされ、スーパーの店頭で国産とうたわれていない瓶は、そのほとんどが海を渡ってきたものだと考えてよさそうです。
5. 砂糖よりカロリーは低い
はちみつのカロリーは100gあたり329kcalで、391kcalの上白糖よりも実は低く、血糖の上がり方もわずかながら穏やかだとされています。
ただし水あめのように比重が重いため、大さじ1杯あたりで比べると逆転してしまい、はちみつのほうが高カロリーになってしまいます。
6. 1歳未満には与えてはだめ
はちみつにはボツリヌス菌の芽胞が混じっていることがあり、まだ腸が未熟な1歳未満の赤ちゃんが口にすると、乳児ボツリヌス症を起こす危険があります。
この芽胞は120℃で4分以上加熱しないと死滅しないため、家庭で煮たり焼いたりしたくらいでは安全になりません。
7. 9000年前から食べていた
スペインのアラーニャ洞窟には、紀元前6000年頃の人が細いロープをよじ登り、崖の上の野生の巣から蜜を採る様子が描かれています。
さらにトルコの新石器時代の土器からは約9000年前のミツロウが見つかっており、人類が最初に手にした甘味料だったと考えられています。
8. 病院で使われる医療用蜂蜜
古代エジプトの医学書には傷の手当てにはちみつを使う処方が記されていますが、その役割は現代の医療にも受け継がれています。
マヌカハニーを原料とする創傷被覆材メディハニーは2007年にアメリカで認められ、滅菌された規格品としてやけどの治療に使われています。
9. 果物を漬けても腐りにくい
高い浸透圧と酸性のおかげで、はちみつに漬け込んだ果物やナッツは傷みにくく、古代ローマでは果実や肉を漬けて保存する方法が広く使われていました。
ただし果汁の水分が移ってはちみつが薄まると、その部分から発酵が始まることがあるので完全に油断はできません。
10. 白く固まるのは劣化でない
はちみつは糖が水に溶けきれないほど詰め込まれた状態にあり、14℃前後まで冷えると溶けにくいブドウ糖が先に結晶になって白く固まります。
果糖の割合が高いアカシアなどは固まりにくく、戻すときは40〜50℃のぬるめの湯煎にすると香りや酵素が失われずにすみます。
11. 1瓶ぶんは地球2周分の旅
働き蜂1匹が一生のうちに作るはちみつは、ティースプーン12分の1ほどで、小指の先にも満たないほどのごくわずかな量です。
450gのはちみつを集めるには延べ8万8000kmもの飛行と200万個の花への訪問が必要とされ、これは地球をおよそ2周してしまう距離にあたります。